岸田首相 自民、公明で改選過半数超えにも「結果は我々に対する叱咤激励」
自民党総裁の岸田文雄首相は10日夜、党本部の開票センターで報道各社のインタビューに応じた。自民、公明の与党で改選過半数を上回る議席を獲得するのが確実と報じられたことを受け、「自民党にとってありがたい票の出方が示されている。しかし、選挙期間中、厳しい声も聞いてきた。この結果は我々に対する叱咤激励でもあると受け止めている」と語った。 【参院選2022投開票日】自民党・開票センターの様子
「暴力で民主主義の基盤である選挙を中断してはならない」
岸田首相は午後9時45分ごろ、すでにスタンバイしていた自民党役員らに迎えられて、開票センターに入った。センターでは、まず全員で8日の演説中に銃で撃たれて亡くなった安倍晋三元首相に黙とうをささげた。 続いて、当選確実となった公認候補者の名前が読み上げられるたびに、掲示板の名前の横にピンク色のバラを次々と張りつけていった。 報道各社のインタビューでは、安倍元首相が亡くなったことについて「心から哀悼の誠をささげたい。その上で、暴力によって民主主義の基盤である選挙を中断してはならない。完結しなければならない。そういった思いだった」と振り返った。
憲法改正「発議できる案をまとめていく」
また、今回の選挙の結果、自民、公明、維新、国民の改憲に前向きな勢力4党の議席が、憲法改正の国会発議に必要な参院全体の「3分の2」を超えることが確実となったと伝えられる。岸田首相は、憲法改正について「自民党が提案している4つの叩き台素案はどれも現代的な喫緊の課題ばかりだと思っている」などと話し、「まずは国民の理解を得るためにも、国会において憲法の議論をさらに深めることによって、具体的な発議できる案をまとめていく。この努力に集中していきたいと思っている」と決意を述べた。 選挙後の内閣改造や党役員人事について聞かれると、「まず、今選挙の結果を見守っている。結果を受けた上で、今後の政治日程についてしっかり考えていきたいと思う。そして、そのうえで、人事等について、タイミングを考えていく。今はまだ、具体的にタイミング、内容については決めていない」と話した。