立憲・泉代表「野党の力不足」 政権担えるもう一つの勢力づくりに「力を注ぎたい」
第26回参院選は10日夜、投開票が行われ、立憲民主党の泉健太代表が東京都千代田区の党本部で会見した。苦戦が伝えられる選挙戦について「今の自民党に不満はあれども政権を任せられるだけの勢力と国民から認知される勢力に立憲民主党を含めてなり得なかったことを痛感している。野党の力不足。これを率直に受け止めながら、政権交代を目指す、政権を運営できるもう一つの勢力づくりに力を注いでいきたい」と述べた。 【参院選2022投開票日】立憲民主党・開票センターの様子
1人区「共闘しなかったから勝てなかったという単純なものではない」
午後9時過ぎ、開票センターに姿を現した泉代表は、西村智奈美幹事長とともに、当選確実が出た候補の名前をパネルに貼り付けた。この時点では比例の辻元清美氏ら6人のみ。数分で貼り終え会場を後にした。 記者会見は日付が変わる直前の午後11時45分頃から始まった。泉代表は「昨年の総選挙以降、政党支持率においても、維新に逆転を許す状況からのスタートだった。極めて厳しい環境、ゼロからのスタートだった」と切り出し、「(参院選では)『生活安全保障』を打ち出し、物価対策は各党よりも先んじてわれわれが全国に訴え、それが主要な争点になってきた」と強調。「安全保障政策も含めて、現実的な政策を打ち出す政党であるということ、これはまだ完全ではないが、一定浸透するということになったのではないか」と手応えも語った。 参院選のカギを握るとされる「1人区」でも議席が伸びない情勢の中、記者から「野党共闘が限定的だったからか」と問われると、「野党のいわゆる一本化が限定的とはいえ、実現できた地域がたくさんある。しかし、そういった地域でも議席を勝ち取ることができなかったことも、また一つ、結果を受け止めねばならない」と固い表情で語った。ただ「共闘すれば勝てる、共闘しなかったから勝てなかったという単純なものではない」とも語り、選挙結果を分析して今後の対応を決めるとした。 野党第一党の立憲民主党に対し、日本維新の会の存在感が高まっている。「昨年の総選挙以降、右の野党、左の野党、それぞれが野党の中で対決姿勢を見せる中で、なかなか一つにまとまる姿を構築できない環境が続いていた」と振り返った一方で、今年の3月に各党に「できる限り国民に分かりやすい構図をつくっていこうと呼びかけた」結果、限定的ではあるが協力を得られた地域もあったとした。「その構図をしてもなお、勝ちきれない環境があったことも重く受け止めて今後考えていきたい」と語った。 選挙結果への責任の取り方について「代表を辞する考えはないか」との質問に対しては「ない」ときっぱり語った。