維新・松井代表「負け認めざるを得ない」 代表辞任を表明「引退を決めた人間がトップにいるのもおかしな話」
第26回参院選は10日夜、投開票が行われ、日本維新の会の松井一郎代表(大阪市長)が大阪市内の開票センターで会見した。自民党の圧勝が報じられる中、松井代表は「われわれは力不足、負けを認めざるを得ない」と述べ、「引退を決めている人間がいつまでもトップにいるのもおかしな話」と代表を辞任する意向を明らかにした。 【参院選2022投開票日】日本維新の会・開票センターの様子
維新の会はまだ「足腰が弱い」
午後9時半過ぎ、松井代表と吉村洋文副代表(大阪府知事)、藤田文武幹事長が開票センターの壇上に姿を現した。3人の表情に笑みはない。壇上の後ろに赤い花がつけられた候補者ボードが6枚掲げられ、記者会見が始まった。 維新の会は改選6議席を倍増させる勢いと報じられているが、自民党は改選55議席から大幅に議席を伸ばすとみられている。松井代表は、自党を「足腰が弱い」と評した上で、「有権者は今、大きな変化を求めていないということだと思う。自民は長年の政権運営の中で組織力が強い。今回は少し投票率が上がったがそれでも有権者の半分程度しか投票していない。その半分の人に関心を持っていただける力がわれわれにはなかった」と淡々と語った。 さらに「メンバーを増やしていただいたので、今後は衆参議員が一致団結してしっかりと自民党にぶつかっていってもらいたい」と期待した。 今後、自民党とどう対峙していくのかを問われると、「自民党には公約をしっかり守ってもらいたい。第一に憲法改正。(改憲発議に必要な)3分の2議席数は見えてきているわけだから、ぜひ約束を守ってもらいたい。有権者は得票の重みを受けて自民党がどう行動するかを見届けてほしいし、我が党はそれを言い続けたい」と述べた。
参院選も終わり「次の代表に引き継ぎたい」
松井代表は、橋下徹前代表の政界引退を受けて2015年12月に代表に就任。来春の大阪市長の任期をもって政界引退することを表明している。会見では「参院選も終わり、引退を決めている人間がいつまでもトップにいるのもおかしな話。次の代表にしっかり引き継ぎたい」と代表を退く意向を表明した。 同党の規約により、松井代表の任期は参院選の投票日から90日後にあたる10月8日まで。藤田幹事長は、「松井代表が辞任意向を示したので、党大会を開いて承認する手続きがまず必要。秋の臨時国会が始まるので、(代表選は)その前に行うことになる」と見通しを語った。
代表選への出馬意向を問われた吉村副代表は、「僕自身は、大阪府知事の仕事と、大阪維新の会の代表の仕事に集中したいので、代表選に出ることはありません。新代表を支える立場で執行部に入ろうと思います」と不出馬を表明。藤田幹事長も「まだ器にあらず、経験も少ないので立候補はしません」とこちらも出馬しない意向を示した。 松井代表は「立候補された人の中から、一党員として誰に投票するかを決めたい」として、一党員として次期代表を選ぶ考えを示した。 (取材・文:具志堅浩二)