なぜ渋野日向子はタイで好スタートを切れたのか…「今の調子としては凄く上出来なゴルフができた」
タイで開催される唯一のアメリカ女子ツアー「ホンダLPGAタイランド」が6日に南部チョンブリのサイアムCCパタヤオールドコース(6576ヤード、パー72)で開幕。大会初出場となる渋野日向子(22・サントリー)は5バーディ、1ボギーの「68」をマークして首位と4打差の4アンダー、日本勢では最高位の14位タイで好発進した。 4月のANAインスピレーションで米メジャー初制覇を果たした21歳のパティ・タバタナキット、18歳のアタヤ・ティティクルのタイ勢が8アンダーでトップ。他の日本勢は上原彩子(37・モスバーガー)、畑岡奈紗(22・アビームコンサルティング)、河本結(22・リコー)がともに3アンダーで20位タイにつけている。
「パーオンしなくともパーが取れれば」
アメリカ本土からハワイをへて、高温多湿の東南アジアへ舞台を移して2戦目。シンガポールで開催された前週のHSBC女子チャンピオンズでは4日間連続でオーバーパーを叩き、67位タイの“ブービー”に沈んだ渋野にちょっとだけ笑顔が戻ってきた。 きっかけはイーブンで迎えた5番(パー4、405ヤード)だった。セカンドショットをグリーン右へショートさせ、パーオンを逃した直後のアプローチ。低い軌道で打ち出されたボールはエッジでのワンクッションをへてグリーン上を絶妙のタッチで転がりチップインの期待を抱かせながら、ピンまでわずか15cmの位置へ寄った。 難なくパーをセーブすると、7番(パー5、506ヤード)では今度は山なりの軌道を描いたアプローチでピンまで約1.5mと絶好の位置に3オン。カップ手前で軽くフックするラインを読み切って1パットで沈め、バーディを先行させて勢いに乗った。 ハワイで4月第3週に開催された、ロッテ選手権の最終日以来となるアンダーパーでのラウンド。5番でのアプローチがポジティブな残像として脳裏に刻まれていたのだろう。ホールアウト後に「自分のなかで、個々で納得のいくショットがあったのはすごくよかった」と振り返った渋野は、さらにこう続けた。 「今日のようにパーオンしなくても、パーが取れるようなゴルフができれば(スコアで)オーバーを打たずにすむので。そういうゴルフができるように明日も頑張りたい」 後半の10番(パー5、528ヤード)では、第2打を花道につけた後のアプローチを再び低い軌道で攻める。エッジとの境目あたりに落ちたボールはそのまま上りのラインを転がり続け、ピンそば約30cmまで寄って楽々のバーディとなった。 アプローチで手応えをつかんだからこそ、セカンドショットで積極果敢に臨める。メンタル面で生まれた好循環が13番(パー4、353ヤード)と17番(パー4、387ヤード)での絶好の位置へのパーオンと、狙い通りのバーディ奪取を導いた。渋野が続ける。 「雨のせいもあって(ティショットの)ランがゼロとか、なんならマイナスというのも多かったので、そこはキャリーが飛ぶ人はすごく有利だなと思います。それでも距離がめちゃくちゃ長いわけでもないので、何とか助かっているという感じですね」