ハザードマップで避難場所の確認を

災害別のハザードマップだけでなく様々な情報を重ねて地図上に表示できる国交省のハザードマップポータルサイト

　市区町村が作るハザードマップでそれぞれの災害の避難場所を確認しておくことが大切だ。自分の住むまちのハザードマップは自治体が配布しているほか、インターネットで公開されていれば国土交通省ハザードマップポータルサイトから探すことも可能だ。このポータルサイトでは、災害別のハザードマップのほか、指定緊急避難場所や土地の特徴・成り立ちなど、さまざまな情報を重ねて地図上に表示することができる。ぜひ、一度、自分の住んでいる地域を見ておくことをお勧めする。 　次に、避難するタイミングだ。大雨になると、大雨注意報や大雨警報（土砂災害）など次々に情報が発表されるが、土砂災害の場合に注意するべきは「土砂災害警戒情報」だ。 　土砂災害警戒情報は警戒レベル4に相当する情報で、自治体が発令する避難情報の発令基準などを示した「避難情報に関するガイドライン」でも「避難指示」の発令基準に挙げられている。土砂災害警戒情報や避難指示という2つの言葉を見聞きしたら、土砂災害警戒区域などに住んでいる人は速やかに安全な場所に避難を開始する必要がある。 　また、高齢者など避難に時間がかかると思われる人や少しでも早めに安全な場所に移動したい場合は、その前の大雨注意報や大雨警報（土砂災害）の段階から行動を開始したほうがよいだろう。避難指示の前には、警戒レベル3の「高齢者等避難」という避難情報が自治体から発令されるケースが多いので、この言葉をきっかけに行動を開始したい。 　国内で発生する土砂災害は、事前に土砂災害のおそれがあることが分かっていた場所で発生していることが多い。しかし、砂防ダムなどハード面で防ぐには限界がある。 　このため、恐ろしい土砂災害から身を守るためには「自分の住む場所を知る」「少しでも早めに避難する」の2つを心掛けてほしい。いざという時に慌てないためにも、普段から家族で情報が出た時の行動について話し合って確認しておくことも大切だ。 飯田和樹・ライター／ジャーナリスト（自然災害・防災）