【銀座老舗グルメ】一生に一度は食べたい。『三笠会館』の「鶏の唐揚げ」はなぜスゴいのか
ビールがおいしい季節になりました。ビールのおともといえば、真っ先に挙がるのが「鶏の唐揚げ」。多くの飲食店で定番メニューとして出されていて、ハズレなしと言える組み合わせですよね。 『三笠会館』の「鶏の唐揚げ」の関連画像 実はこの唐揚げを日本で初めて外食メニューとして提供した店が銀座にあります。それが老舗レストランの『三笠会館』です。さすが銀座、元祖の宝庫ですね。
メニュー誕生にはこんな逸話があります。1925年(大正14年)、『三笠会館』は東銀座にかき氷屋として創業。のちに食堂となり、1932年(昭和7年)に銀座一丁目に支店を出しました。ところがその支店が思うように振るわず、維持に苦労していたそう。 そこで先代社長と料理長が知恵をしぼった結果、「鶏の唐揚げ」をメニューに採用することに。すると、それが「うまい、うまい」とたちまち大人気となり、店が持ち直したそうです。すなわち「鶏の唐揚げ」が三笠会館を救ったのです。
このエピソードからしても、それだけこのメニューが抜群においしく、そしてお店の思い入れとこだわりが詰まっていることがわかります。ということで、さっそくその「三笠会館伝統の味 骨付き鶏の唐揚げ」(5個・1500円)を実食してみましょう。
骨から旨みがジュワ~っと染み込み、どこの部分もジューシー!
これが三笠会館の「骨付き鶏の唐揚げ」です! 運ばれたときから香ばしい匂いが漂って食欲をそそります。創業時の調理法の記録は残っていませんが、少なくとも今の総料理長が入社した昭和50年(1975年)当時から変わっていないそうです。タレにあまりつけ込まず、また肉を丸めることなく、ヒラヒラと秘伝のタレにサッと通してすぐに片栗粉をつけて揚げるのだそうです。 丸めずに揚げているせいか、衣は一般的な唐揚げよりもさらにパリッパリ&サックサク! それでいて中はパサつきが一切ありません。驚くほどフワっとして柔らか。
特にムネ肉はパサつきが苦手な人もいると思いますが、この唐揚げは厚みのあるところも含めてすべてジューシー。なのに油っほさはなし。タレにつけこまないので、水分や旨みが流れることなく、お肉のなかにギュッと閉じ込められているんです。しかも、骨の中にある旨み成分の髄液が肉に浸透していて、おいしさが倍加。鶏肉はやっぱり骨付きがウマい! と改めて思わされます。