「努力の仕組み化」に挑戦 楽器の反復練習は毎日続けられたのか?
「努力できない」のは、やっぱり意志が弱いから?
本書には、「努力しなきゃいけない場面で意志の強さについて考えるのは、努力できない人だけ」と書かれています。言い換えれば、努力できる人は「意志の強さ」について考えることもなく、自然と努力を続けているということです。 この研究によって、実際に健康的な行動を取れていない人は、自分の意志力に問題を感じていることがわかります。 そして、努力を続けられない人ほど「努力には意志の力が必要だ」と考えているともいえます。(略) 一方、努力を継続できている人は、意志の強弱が行動のハードルとなっているとは感じておらず、「努力を努力と思わずにできること」の重要性も示唆されています。(『努力は仕組み化できる』p.40) 最初は努力と思って努力するしかありませんが、それでも続けていれば、習慣になります。それが、「努力を努力と思わずにできる」ということです。 寝る前に歯を磨かないと気持ちが悪いように、いつの日か、練習をしないと気持ちが悪くて眠れない日が来ることを祈って、これからも努力をし続けたいと思います。 「○○は好きだけど、そのための努力はなかなかできない。それをやるだけの意志の強さがない」と思ったことのある方、そして今、この記事を読みながらも「○○について努力しなきゃいけないのは分かっているのだけれど、なかなか手をつけられない。始められない」と考えている方は、本記事、そして本書における努力の仕組み化の方法が、きっと役に立つことでしょう。 『努力は仕組み化できる 自分も・他人も「やるべきこと」が無理なく続く努力の行動経済学』 「今度こそ、頑張ろう!」と決意したはずなのに、いつの間にか忘れてしまっていた…そんなことはありませんか? 実は、努力は行動経済学や心理学の観点から捉え直すことで、才能や性格に関係なく、仕組み化することができます。「英語などの勉強で成果を出したい」「資格を取得したい」「子どもに勉強をさせたい」「部下を頑張らせたい」「ダイエット・運動を頑張りたい」「健康的な食事を続けたい」「5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)を徹底したい」「夏休みの宿題を計画的に終わらせたい」…。本書はこのような悩みに効果を発揮する1冊です。 山根承子著/日経BP/1870円(税込み)