姫路逆転!初優勝 井上が20得点MVP 全日本選手権/バレー
バレーボールの全日本選手権第5日は21日、Asueアリーナ大阪でSVリーグ勢による女子決勝が行われ、姫路がSAGA久光に3─2で逆転勝ちし、初優勝を飾った。パリ五輪日本代表のアウトサイドヒッター、井上愛里沙(29)が20得点を挙げる活躍で最優秀選手に選ばれた。昨季はVリーグ2部降格も経験した若いチームが、日本の頂点に駆け上がった。SAGA久光は3年ぶりの優勝を逃した。 最終第5セットでつかんだマッチポイント。豪快なスパイクで2時間31分に及ぶ激闘に終止符を打った井上は、目に涙を浮かべて喜びに浸った。 「姫路で苦しい思いをしてきた選手を勝たせることが自分の役割だと思っていた。優勝することができてうれしい」 今季SVリーグで2戦2勝のSAGA久光との決勝。序盤は相手の攻撃を止められず、2セットを奪われた。後がない中、第3セットを25─15で奪い、第4セットも奪取。15点先取の第5セットでは最後の2得点を自身のスパイクで奪い、「最後は全て出し切ろうという気持ちだった」と胸を張った。 2022─23年シーズンはリーグ最下位に沈み2部(V2)へ降格したが、井上らが加入した昨季のV2を全19戦無敗で制した。今季発足のSVリーグは成績ではなく事業規模などでライセンスが発給されたが〝昇格〟にふさわしい成績でSVに加入した。22年から姫路に在籍して降格の悲哀を知るパリ五輪代表の宮部藍梨は「今だから言えるが、降格した経験が間違いなく自分たちを強くしてくれた」と明かした。 現在、SVリーグでは11勝5敗の5位につけている。「ここで得た経験や学び、自信をリーグ戦につなげていきたい」と宮部。〝日本一〟の勲章を通過点に、新リーグ初代女王まで突き進む。(鈴木和希) ♠姫路・アヴィタル・セリンジャー監督「2セットを奪われたことで、逆に緊張が解けて逆転することができた」 ♥姫路・セッター柴田真果主将「出だしからいい流れではなかったが、踏ん張って戦うことができた」