【オニール八菜連載 vol.1】4つの国、4つの都市で、世界が舞台のバレエ人生。
●東京時代
ー 岸辺バレエスタジオには、何がいちばん楽しくて通っていたという記憶がありますか? ここで習い始めたのは4歳の時で、8歳以降はニュージーランドから帰るたびに通ってました。お友だちと一緒に踊るというのがとても楽しかったんです。それに小さい時ってバレエ教室のお姉さんたちに憧れるというのがありますよね。それもあって......でも、何よりも踊るのが楽しくて、ということがいちばんですね。中でも発表会が大きな楽しみでした。人の前で踊るということ、ステージで踊るということ。強い照明が当たった頬の火照りとか、メイクの匂い......こうしたことはいまでも記憶に残っています。 ●ニュージーランド、オークランド時代 ー パリ・オペラ座バレエ学校にビデオを送ったけれど返答がなかったのですね? はい。オペラ座のバレエ学校に行けたらと思ってビデオを送ったのだけど、返答がなかったように記憶しています。でも、それでガッカリするということはなかったですね。というのも2007年のユース・アメリカ・グランプリ(YAGP)の後、オーストラリア・バレエスクールに行くことが決まっていたので、オペラ座はどうなったのだろう、と気がかりに思うこともなくって......。YAGPでもらったオーストラリア・バレエスクールの2週間のスカラシップに行ってみたらとても楽しかったので気持ちはそちらに向いていたんです。 ー 初めてトゥシューズを履いた時はどんな気持ちでしたか? これは本当にうれしかったですね。RAD (ロイヤルアカデミー・オブ・ダンス) のバレエのメソッドをやってた時なんですが、グレード5が終わってアドバンスド・ファンデーションというクラスになるとポワントが履けるんです。だからグレード5の試験が終わった日にすぐポワントを履いて......。痛かったけれど、そんなことも気にせずにタカタカタカタカやってました(笑)。トゥシューズはその時からずっとフリードです。ほかのも試したことがあるけれど、固いというか履き心地がよくなくって自分の足という感じがしないんです。その点フリードのは手作り感が足に感じられて......だからずっといまもフリードです。