「水産資源を次世代に」天皇陛下の思いと42回目の“海づくり大会”【皇室 a Moment】
この歌会始はご婚約の一斉報道から8日後で、“雅子さまフィーバー”のまっただなかでした。 ――ということは、「夢かなう」というのは婚約が決まったことにも掛けられていたんでしょうか? そうかもしれません。出会われて約6年で実現した皇后さまとのご結婚ですから、「わが夢かなう」には、確かに特別な思いがこめられていたのかもしれませんね。
■お考えがのぞく大会前後の視察先
――今日は「全国豊かな海づくり大会」について振り返ってきました。井上さん、令和になって何か感じることはありますか? コロナ禍のため、「豊かな海づくり大会」へのリアルの出席は、まだ3回ですが、お二人のお考えが大会前後の視察先にのぞいているように思います。
いずれも1泊2日の短縮日程ですが、3回のうち2回が、秋田の「動物愛護センター」と北海道の「野生生物保護センター」、残る1回は、兵庫の「計算科学研究センター」でした。そこに両陛下の“動物愛護への思い”や“科学へのご関心”が現れているのではないかと思われます。 今後、「豊かな海づくり大会」と共にお二人の新しいスタイルがどのような広がりを見せるのか楽しみです。 ――「全国豊かな海作り大会」という行事を初めて知りましたが、この大会をきっかけに、さまざまな分野にご関心を広げられる姿というのが印象的でした。 【井上茂男(いのうえ・しげお)】 日本テレビ客員解説員。皇室ジャーナリスト。元読売新聞編集委員。1957年生まれ。読売新聞社で宮内庁担当として天皇皇后両陛下のご結婚を取材。警視庁キャップ、社会部デスクなどを経て、編集委員として雅子さまの病気や愛子さまの成長を取材した。著書に『皇室ダイアリー』(中央公論新社)、『番記者が見た新天皇の素顔』(中公新書ラクレ)