「水産資源を次世代に」天皇陛下の思いと42回目の“海づくり大会”【皇室 a Moment】
■陛下の“ポケット写真コミュニケーション”
――「豊かな海づくり大会」が結んだ現地とのご縁がこのように被災地を励ますことにつながったというのは素敵ですね。各地でこのような交流があるんでしょうか。
今回の北海道の海づくり大会でもありました。こちらは初日に訪れた釧路湿原の野生生物保護センターです。このとき、天皇陛下がポケットから写真を取り出し、説明者に見せて質問される場面があったんですが、帰京後に、その写真が宮内庁から公開されました。 ――それがこちらです。
32年前の1991年、皇太子時代に釧路湿原を訪れた際、陛下が撮られた上空を飛ぶワシのような鳥の写真と、雪原のタンチョウヅルの写真です。今回の訪問で、陛下はこの写真を説明者に見せて、飛んでいる鳥の種類を尋ねられたそうです。 ――わざわざご自身で撮られた古い写真を持ってこられたんですね。 陛下は、写真を会話のきっかけにされることがあるんですが、今回も、お得意の“ポケット写真コミュニケーション”だったわけです。 ――そういったコミュニケーションがあるんですね。
この32年前は私も取材で同行していました。映像は釧路湿原の「タンチョウ観察センター」で、陛下がとても熱心にカメラを向けられている様子です。 ――確かに真剣な表情でカメラを構えられていますね。 このときはもう1か所、釧路湿原の「展望台」でも陛下は写真を撮られていましたが、私も自分のポケットカメラで撮影するほど印象的な場面でした。
それがこの写真です。陛下は、映像にあった一眼レフとは別の小型カメラに持ち替えて撮られていますが、うれしそうな様子がわかります。 ――わざわざカメラを持ち替えられてということですから、本当に嬉しかったんでしょうね。
この歌によって、ツルの群れを見ることが小さい頃からの夢だったと知り、釧路の様子に納得しました。