「水産資源を次世代に」天皇陛下の思いと42回目の“海づくり大会”【皇室 a Moment】
天皇陛下:「この豊かな海の環境を保全するとともに、水産資源を適切に保護・管理し、次世代に引き継いでいくことは、私たちに課せられた大切な使命です」
大会は「式典行事」などの中心行事のほか、前日には、海に関した絵や習字などのコンクールの秀作をご覧になります。作者の子どもたちに両陛下が直接声をかけ、作品の内容などを尋ねられます。
また式典当日は漁業施設を視察されるのが恒例です。今年は「カキ種苗センター」で稚貝を育てる手法をご覧になりました。両陛下は「天気の影響もありますか?」など次々質問し、皇后さまが「ごめんなさいね、質問攻めにしてしまって」と笑顔を見せられる場面もありました。
■“海なし県”でも行われる「全国豊かな海づくり大会」
――この大会についてはあまり知らなかったんですけども、漁業振興の意味合いも大きいでしょうね。大会は今年で42回目ということですが、海のない県でも開催されているんでしょうか。 これまで開催されてきた場所の地図を用意しました。
青い部分がこれまで開催された場所、オレンジ色は2回開催された兵庫と北海道です。白は開催されていない場所です。東京は白ですが、2009年に「中央大会」が開かれています。 ――白い部分は、特に関東甲信越の「海のない県」いわゆる「海なし県」が多いですね。 そうですね。“内陸県”でも、滋賀、岐阜、奈良の3県では開かれているんですよ。 ――海のない県でも開かれているんですね。
海のない県での初開催は、2007年の滋賀県でした。琵琶湖はアユやニゴロブナなどの漁業が盛んで、漁業法上、「海」の扱いです。この時、上皇さまのお言葉に驚きが広がりました。 上皇さま:「外来魚の中のブルーギルは50年近く前、私が米国より持ち帰り、水産庁の研究所に寄贈したものであり、当初、食用魚としての期待が大きく、養殖が開始されましたが、今、このような結果になったことに心を痛めています」 ――ブルーギルといいますと生態系を脅かす存在として知られる外来種の魚ですよね。 北米原産の淡水魚で、小魚や魚の卵などを食べ、繁殖力が強いことで知られます。 ――こちらが、そのブルーギルです