パワハラ疑惑報道のJ2東京V永井監督が逆転負け後に“騒動”を「絆は揺るぎない」と言及…一方の選手の受け止め方は?
しかもスポーツ紙の記事では、クラブ側に事実を隠蔽しようとした疑惑があると指摘する選手のコメントが匿名の形で報じられた。当然ながら永井監督をはじめとするコーチングスタッフだけでなく、京都戦を直前に控えた選手たちも知るところとなる。 迎えた京都戦は前半20分に、FW端戸仁(31)の今シーズン5点目でヴェルディが先制した。ゴールをアシストしたMF梶川諒太(32)は「今日はどうしても結果が必要だ、という思いがあった」とヴェルディにかかわる全員が抱いた思いを代弁した。 「ある意味で問題がずっと続いている中で今朝もああいう記事が出てしまって、動揺があったか、なかったかで言えばゼロではなかった。憶測や噂でいろいろなことを言われ、ヴェルディ自体が攻撃されるのは選手にとってもつらいし、そういう声をはねのけるためにも、本当は違うと証明するためにも僕たち選手がピッチ上で結果を残すしかなかった。でも、結果を出せなかったことで、また難しくなってしまったと思っています」 試合は後半11分にFWピーター・ウタカ、15分にDFヨルディ・バイス、22分に途中出場のFWイスマイラと外国籍選手が立て続けにゴールを奪った京都が逆転。ヴェルディに反撃を許さず、ジュビロ磐田を抜いてJ2戦線の首位に浮上した。 対照的に11位に後退したヴェルディは、栃木SCを2-1で下した6月26日の第20節を最後に、4分け3敗と7戦連続で勝利がない。J1昇格圏となる2位・磐田との勝ち点差が「19」に広がった苦境で、永井監督は努めて前を向いた。 「誰一人として下を向くことなく、戦ってくれた選手たちは素晴らしかった。悔しい結果になりましたが、必ずや次につながる内容の試合だったと思います」 しかし、ピッチ上の実情はやや異なる。 指揮官のパワーハラスメント行為の有無は別として、試合終了間際に喫した失点で引き分け、あるいは追加点を奪えないうちに逆転される展開が続くのは、選手たちが迷いを抱えている証となる。 京都戦の後半を典型的なパターンにあげながら、前出の梶川が問題点を指摘した。 「失点した時間帯が与えたダメージも大きかったけど、そこで全体としての方向性が少しずつずれて、ボールをもらうのが少し怖くなってしまった部分があった。自分たちがやりたいサッカーとは何なのか。一人ひとりがもっと勇気を持ってボールを引き出さなければいけないし、立ち位置がどうなのかをもっともっと問い続けなければいけない」