ポルシェ・タイカン 詳細データテスト 952psへ強化 進化したバッテリー 快適なアクティブサス
ドライ制動距離
テスト条件:湿潤路面/気温11℃ 30-0マイル/時(48km/h):9.0m 50-0マイル/時(64km/h):25.5m 70-0マイル/時(80km/h):49.8m 60-0マイル/時(97km/h)制動時間:2.66秒 ■ウェット制動距離 テスト条件:ウェット路面/気温11℃ 30-0マイル/時(48km/h):9.8m 50-0マイル/時(64km/h):27.6m 70-0マイル/時(80km/h):56.2m 60-0マイル/時(97km/h)制動時間:2.96秒
結論 ★★★★★★★★★☆
メーカーが多額の費用をかけて開発した新製品を、今後長年にわたり商品力を保てると確信して発売できる時代は終わった。少なくとも、EVについてはそうだ。だからこそポルシェは、このジャンルの先駆的な存在であるタイカンを、誕生からさほど時をおかず、従来型を明らかに上回るものとするべく妥協せずに大幅改良したのだ。付け加えるなら、あらゆるライバルも超えるために。 改良型タイカンは、日常使いでの利便性は向上しつつ、この上ないポルシェならではの走りは失っていない。テストしたターボSは、とてつもなく速く、それでいてその速さが扱いやすい。しかも、ハイパーカー並みの加速と、ロードマナーとが調和している。 決して安いクルマではないが、試す価値はある。 ■担当テスターのアドバイス ◆リチャード・レーン ESPとトラクションコントロールのチューニングは、思いのほかクレバーだ。かなり濡れた路面のテストコースで、試しに発進加速をしてみたが、150km/hちょっとまで4つのタイヤはホイールスピンした。しかも、130km/hあたりでリアのギアボックスがシフトアップしたところで、その勢いが増した。怖い目に遭いそうだが、そうなることはなかった。音の波に乗っているようだった。 ◆マット・ソーンダース レンジモードでは車高が22mmダウンし、クーリングフラップが閉じ、前輪駆動化して、省エネ運転をする。ヘッドライトさえ、もっとも効率のいい運用がされる。 ■改善してほしいポイント ・遮音性をもう少し改善してほしい。 ・ステアリングにもうちょっと、指先で動かせるような軽やかさを。 ・仮想的なシフトチェンジは用意されないだろうか。
リチャード・レーン(執筆) マット・ソーンダース(執筆) 関耕一郎(翻訳)