ポルシェ・タイカン 詳細データテスト 952psへ強化 進化したバッテリー 快適なアクティブサス
快適性/静粛性 ★★★★★★★★★☆
もっとも上質感のあるタイカンはクロスツーリスモで、スプリングは柔らかく、パフォーマンス志向が薄い。しかしながら、ターボSでも、ワイルドなパフォーマンスを考えるとすばらしく快適なクルマで、これほど速さと優雅さを両立できているクルマはないのではないかと思えるほどだ。 静粛性に関しては、計測方法を多少変更したので、直接的な比較はできない。とはいえ、主観的には走行中もラグジュアリーなポジションを正当化できるくらい静かに感じた。113km/Hで66dBAという数値は、メルセデスEクラス並みだ。 新採用のアクティブサスペンションは、われわれとしては選ぶ価値ありだと思う。プライマリーライドばかりでなく、路面の穴やスピードバンプの衝撃も改善する。スピードバンプの手前では減速し、それからスロットルを穏やかに踏んでノーズを持ち上げて乗り上げることを習慣的にしているドライバーもいるだろうが、アクティブサスペンションはいつもその代わりを務めてくれるわけだ。 結果、このタイカンはスーパーカー並みに速いいっぽうで、GTカーとしての役割も十分に果たす。延長された航続距離も考えればなおさらだ。
購入と維持 ★★★★★★★☆☆☆
改良により、価格はだいたい8%くらいアップした。それ自体は法外な値上げではないが、アクティブサスペンションを追加すると6291ポンド(約124万円)高くなる。 EV全般に言えることだが、リセールはかなり弱い。特に高級モデルはその傾向があり、タイカンも例外ではない。3年後の残価は、30~40%といったところだろう。 利便性については、かなり改善された。日常使いを想定した電費での航続距離は、大径タイヤを履くターボSでも515kmほど。ツーリングでの422kmはそれほどいい数字ではないが、充電速度が高いので、ひどく不便にはならないだろう。 テストコースの充電器が最大300kWだったので、公称充電性能の320kWを検証することはできなかったが、10~60%ではコンスタントに290kWを上回り、100kWを下回ったのは85%に達したあとだ。 ちなみに、航続距離が最大になるのは、後輪駆動のタイカンに、4454ポンド(約88万円)のパフォーマンスバッテリー・プラスを追加した仕様だ。