ISS長期滞在、金井さん帰国会見(全文1)新しい時代の「宇宙の使い方」体感
不安もあったが宇宙酔いもなく元気に仕事
訓練の成果もありまして、本当に戸惑うこともなく宇宙船の操縦、やってまいりましたし、幸いなことにまったく宇宙船の不具合等もございませんで、非常に楽な2日間のランデブーでした。宇宙ステーションまで2日間を掛けてドッキングしますと、既に軌道上に滞在している3人のほかの宇宙飛行士に迎え入れられて。久しぶりの再会で、笑顔で再会をして、楽しい6人生活が始まりました。で、最初宇宙に行くに当たっては、宇宙酔いがひどいんじゃないかとか、仕事については訓練をしていたんですけども、宇宙というそういう特別な空間で生活をすることに不安感を抱いて行ったんですけども、幸い宇宙酔いも全然なく、到着した翌日からもうフルで仕事が入っているような状況で、元気いっぱいに仕事を始めることができました。
自分の滞在中に早くも第2便の宇宙実験
ご紹介されているような高品質のタンパク結晶実験ですとか、このあと出てきますけどもAmyloid実験ですとか、特に私は医学関係の実験については、事前に、興味があっていろんな先生のところ伺っていたものですから、非常にモチベーションも高く実際のミッションを行うこともできましたし、手前みそではありますが、事前に勉強をたくさんしていった分、精度の高い実験もできたんじゃないかなというふうに感じております。 特に感じますのは、昔から宇宙実験と申しますと、もう1点モノで何年も掛けて準備をして、宇宙実験をしたら「はい、おめでとうございます。宇宙実験しました」で終わっているような、そういった古い時代の宇宙実験ではなくて、今の時代は、タンパク質の先ほどの実験も私の滞在中に2回実験機会がありましたし、このAmyloid実験については私のときにやった結果がすでに解析されて、第2便が既に宇宙に上がっているという状況で、新しい時代の宇宙実験を本当に象徴するなと思っておりまして。宇宙を使ってどんどん頻回にサンプルを上げて実験を繰り返したり、あるいは実験機会が多いことで実験1回当たりの単価を下げたり、そういったところでこれまでとは違った新しい時代の宇宙の使い方っていうのを体験させていただいた、そんな気もします。