「13万円で幸せに暮らす」を支援する不動産屋さん、「仕事4割は地域活動」280超のプロジェクト行う 大里綜合管理・千葉県大網白里市
千葉県に「お役に立つのは当たり前」と考え、障がい者や低所得者、高齢者など、住宅を借りたいけれど借りられずに困っている人の支援を行う大里綜合管理という不動産会社があります。その活動は、本業である不動産管理・仲介、住宅の設計・施工管理のほか、280以上の地域活動など、多岐にわたります。 会社としてこれらの活動にどのように取り組んでいるのか、大里綜合管理の代表取締役会長 野老真理子(ところ・まりこ)さん、代表取締役社長 石井俊晴(いしい・としはる)さん、居住支援担当の笠置健人(かさぎ・たけひと)さんにお話を聞きました。
280を超える地域活動「仕事の4割は地域活動に充てる時間」
大里綜合管理は、千葉県大網白里市で不動産の維持管理や売買・賃貸仲介を本業とする会社です。 1975年、野老さんの母が遠方に住む土地所有者の代わりに草刈りをするなど、不動産の管理を請け負う会社として創業。現在、約5500件の土地と300件ほどの建物を管理する会社に成長しました。 経営理念は「一隅(いちぐう)を照らす」。これは、困っている人の「お役に立つ」ことだと言います。周りの「困った」という声に耳を傾けているうちに、大里綜合管理の取り組みは不動産の管理・仲介にとどまらず、280以上に及ぶ地域活動やボランティアにまで広がりました。全ての社員が「仕事の4割は地域活動に充てる時間」として取り組んでいます。 その活動はイベント開催のほか、駅前の交通整理や近所の外国人労働者への日本語教育など、実にバラエティーに富んでいます。現在は、社員とパート合わせて20人弱。広告費ゼロで年商4億円~5億円を上げているそう。 「ポイントは、お金をかけるのではなく、できることをやること。自分たちの時間と労働はマイナスだと思っていません。もちろん、無理に義務化して活動しているわけではなく、社員にはライフワークの範囲で取り組める内容を、と伝えています。ライフワークとして取り組むうちに、自分たちで何でもできるようになります」(石井さん)
【関連記事】
- 人口4分の1が高齢者、住宅確保が急務に。不動産会社と連携し、賃貸の空き室利用や見守りサービス費用補助など支援の機運高まる 神奈川県厚木市
- 人口減少と空き家増加の課題、住まいに困っている人と空き家のマッチングで活路。高齢者や低所得者などの入居サポート、入居後の生活支援も 福岡県大牟田市
- 全国の自治体で初「ひとり親家庭の移住サポート」。住まい・仕事・教育など手厚い支援、地方移住ニーズに応える 静岡県川根本町
- 「下関って何にもない、ダサい」我が子のひと言に奮起。空き家再生で駅前ににぎわいを 山口県・上原不動産
- 「生まれ育った街だから住まいに困る人を減らしたい」。外国籍、高齢者などに寄り添い住まいと福祉を結ぶ居住支援法人・上原不動産