【40代・50代ご用心!「痔」はお尻の生活習慣病②】軽度のいぼ痔は誰でも持っているって、知っていますか?
痔になりやすい人と、なりにくい人の違いとは?
女性に多いのは、肛門の周囲にいぼのような膨らみができる痔核(内痔核・外痔核)と、肛門が傷ついてしまう裂肛(切れ痔)だ。高橋先生によれば、痔核はトイレにこもって長時間頑張ってしまう人、便を出しきろうと強くいきむのを繰り返す人に多いのだそう。つまり、便秘がちで、排便時に強い腹圧をかける習慣がある人は痔核がうっ血しやすく、症状が進みやすいのだ。また、裂肛は便が硬い人だけでなく、下痢しやすい人のどちらにもリスクがある。 「また、日頃から姿勢が悪い人は骨盤底筋が緩みやすく、肛門のあたりにダイレクトに腹圧がかかりやすいといえるでしょう。排便時に背中を丸めた姿勢でいきむ人も、痔核のうっ血を招きやすくなります。逆に、痔になりにくい人というのは、トイレで強くいきむことがなく、普段からよい姿勢で過ごしている人たちですね。日頃の何気ない生活習慣が痔を招くか否かに影響するということです」
《痔になりやすいのはこんな人》 ・便が硬い、または下痢しやすい ・排尿・排便時にいきむ習慣がある ・トイレにこもる時間が長く、排便に5分以上かかる ・重い荷物を持つなど、腹圧がかかる作業をすることが多い ・姿勢が悪く、猫背の姿勢になりやすい
痔核はⅠ度やⅡ度でも出血したり、肛門の外に脱出することが!
誰もが軽度の痔核を持っているのだとしたら…。そもそも、どの段階から痔核と診断されるのだろうか? 「『痔核が腫れる』『肛門の外に飛び出してくる』『痛みを伴う』など、不快症状がみられるようになると『痔核』と診断されます。内痔核が大きくなってくると、たびたび肛門の外に飛び出してくることがあり、『指で戻すのがストレスになってきた』と受診される方もいらっしゃいます。内痔核にはⅠ~Ⅳ度までの4つの段階があり、それぞれの症状は以下の通りです。QOLに影響を及ぼすのはⅢ度以上ですね」
《内痔核の症状の進行》 ●痔核 Ⅰ度 うっ血した痔核が肛門内部にあるだけの状態。外に飛び出してくることがほとんどないため、気づいていない人が多い。