10ー0大勝でW杯アジア最終予選進出決定も吉田麻也が実力差大きい2次予選方式に「クエスチョン」と問題提起
たとえば前回のロシアワールドカップでは、グループリーグを突破したアジア勢は日本だけで、韓国、オーストラリア、イラン、サウジアラビアはそろって敗退した。その日本も決勝トーナメント1回戦で、ベルギー代表に逆転負けを喫している。 他大陸のワールドカップ予選を見れば、北中米カリブ海のレギュレーションが一線を画している。メキシコ、アメリカ、コスタリカ、ジャマイカ、ホンジュラスがシードされ、1次および2次予選を勝ち上がってきた3チームを加えた8ヵ国で最終予選を実施。ホーム&アウェイ方式で、上位3ヵ国が手にするカタール行きの切符を争う。 この方式ならば最終予選開始まで、シード国は強化のための国際親善試合を組める。ジャマイカが来月3日にA代表(札幌ドーム)、12日にはU-24代表(豊田スタジアム)と国際親善試合を行えるのは、北中米カリブ海がまだ1次予選を行っているためだ。 2019年9月に幕を開けた、カタールワールドカップへの第一歩となるアジア2次予選の前半戦の4試合で、日本は6-0で勝利したモンゴル戦以外は、ミャンマーに2-0、タジキスタンに3-0、キルギスに2-0といずれも敵地で苦戦を強いられている。 しかし、新型コロナウイルス禍による長期中断をへて今年3月に再開されると、2試合で24ゴールを叩き出した。モンゴル戦で3得点、ミャンマー戦では5得点と全得点の3分の1を量産し、国際Aマッチでの通算ゴール数を「23」に伸ばして、高原直泰(現沖縄SV)と並ぶ歴代10位に急浮上した大迫は、ゴールラッシュをこう振り返る。 「僕たちが対戦相手を決めるわけではないので。僕たちは与えられた試合でしっかりと勝てるように、各々が成長できるように臨んだ結果が、この2試合の大量得点だと思う」 もちろん吉田自身も、ピッチ上で戦っているときには目の前の相手に集中している。それでも、ロシア大会後に長谷部誠(アイントラハト・フランクフルト)からキャプテンを引き継いだ32歳の精神的支柱は、ひとたびピッチを離れれば、自身にとって今回が3度目となるワールドカップ・アジア予選が将来あるべき姿に思いをめぐらせている。 「ワールドカップで結果を残せないと、アジアの枠をどんどん減らされていくと思うんですよ。なので、アジアが一番変えなければいけないのがそこだと個人的に思っています」