「R-18イラストばっかり」「マクドナルドはもらい事故」 「いまだけダブチ」キャラ絵が、“性的な2次創作”の餌食に…それでもキャンペーンが失敗とは言えない理由
今年1月には、三重交通が男女の運転士のキャラクターを発表したが、女性のキャラクターが「腰をクネクネさせている」「腰がくびれすぎている」と批判を浴びた。もっとも、これは少数意見に過ぎず、実際は炎上しているというほどのことでもない。 9月には、京都市地下鉄に掲出された角川スニーカー文庫のライトノベル『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん』のラッピング広告が批判された。ミニスカートの制服をまとった女子学生のイラストが「性的である」とされたのだが、数年前であれば問題にならなかったと思われるレベルのもので、賛否両論を呼んでいる。
■「萌え」が「燃え」で終わってしまう時代 2020年代の状況を見ると、女性のアニメキャラクターは細心の注意を払って表現しないと、容易に批判を浴びてしまうことがよくわかる。 しかしながら、今回のマクドナルドのケースは、行った施策自体は炎上していないどころか、Xへの投稿は多数の表示があり、多くのリポストや「いいね」を集めている。 さらに、多くの2次創作を生み、話題化にも成功している。これだけで見ると、十分に成功していると言えるだろう。
一見すると時代錯誤に思えるやり方でそれを成し遂げていることを考えると、綿密に計算されたキャンペーンだったと言えるのではないだろうか。 逆に言えば、それでも不適切な2次創作が起きてしまうという現状は、現代のネット社会の病理を示していると言えるだろう。 企業側としては、「SNSユーザーが勝手にやったことだから、自分たちに非はない」と言いたいところだと思うが、性的な表現が企業のキャラクターやロゴをまとって拡散されてしまうと、ブランドを毀損してしまう恐れがある。
マクドナルドは、本件を取材したJ-CASTの質問に対して、下記のような回答をしている。 「当社のキャンペーンコンテンツなどに関しましては、権利者の許可のない複製・転載等はお控えいただき、当社のウェブサイトにある利用規約をよくお読みいただいた上で、SNSではマナーを守りながら、楽しくご利用いただければと存じます」(「JCASTニュース」2024年11月6日配信) 企業側としては2次創作のコンテンツにまでは責任を負う必要はないが、消費者を啓発する責任はあると思う。状況次第では、マクドナルドは自社のSNSアカウントでも同様の声明を発するべきかもしれない。