「また実写化か」「心配な予感が」との声もあったが…。実写化に物議【推しの子】ドラマが“意外と好評”なワケ
「また実写化か……」「心配な予感が」 キャストビジュアルが公開された当初は、そんな厳しい声も上がっていた人気漫画『【推しの子】』の実写映画&ドラマ化。 【画像】あの、原菜乃華、倉科カナ、吉田鋼太郎…【推しの子】キャストの様子 12月20日からの劇場版公開を控え、現在ドラマ全8話がAmazon Prime Videoで独占配信中だが、この仕上がりが意外と好評だ。ドラマ『【推しの子】』(以下、【推しの子】)への肯定的な感想の中で気になったのが、“実写化批判”を呼んだ秋のドラマ『その着せ替え人形は恋をする』(以下、『着せ恋』)と同作を比較するコメント。
どちらも原作漫画は発行部数1000万部超え、アニメも大ヒットした問答無用の人気作だが、実写ドラマに対する反応の違いはどこに理由があったのだろうか。 ■“実写化批判”はビジュアル再現度が全てではない まず、ドラマ『着せ恋』で何が指摘されていたかを振り返ろう。 本作は、雛人形職人をめざす男子高校生の主人公と、コスプレオタクでギャルのヒロインとの関係性を描いた青春ラブコメディである。この実写ドラマでは、作品のテーマであるコスプレ描写やヒロインのビジュアルコンセプトが原作と離れていることに批判が殺到。放送回を重ねるたびに炎上が話題となってしまった。
【画像】あの、原菜乃華、倉科カナ、吉田鋼太郎…【推しの子】キャストの様子 ただ個人的に、批判の要因をより表していると感じたのは、ビジュアルの話題よりも物語冒頭のこんなシーンだ。 実家が雛人形店を営む主人公・五条新菜は、雛人形の衣装作りという「周囲と違った趣味」を持つ自分をひた隠しにし、孤独に高校生活を過ごしていた。 そんなあるとき、お雛様の頭部を手にしているところを、同級生のギャル・喜多川海夢に目撃されてしまう。五条はドン引きされることを直感して焦るが、海夢はその人形を興味深く見つめ、繊細な仕上がりに大感動するのだった。
……つまり、違う世界の住人だと思っていた華やかな同級生が、自分の趣味を見下さず尊重してくれるという、ヒロインのギャップがわかる場面である。 ドラマ版でもこの流れは変わらないのだが、原作ではヒロインが人形に手を触れず見つめているのに対して、ドラマでは人形の頭頂に触れ、持ち上げて眺めるという演出に。さらにその後、人形の顔面を机にベタ置きする見せ方をしてしまったために、粗末な扱いすぎると炎上の火種になってしまった。