「R-18イラストばっかり」「マクドナルドはもらい事故」 「いまだけダブチ」キャラ絵が、“性的な2次創作”の餌食に…それでもキャンペーンが失敗とは言えない理由
なお、碧志摩メグのキャラクターは非公認となったものの、現在も存続しており、伊勢志摩のPR活動を行っている。 2010年代後半あたりから、女性のキャラクターを活用したプロモーションは飽和し、消費者も食傷気味になり、ジェンダー表現も厳しくなっていったため、下火になっていった。「萌え」という言葉も、すでに死語に近い状態になっている。 ダジャレではないが、下手に「萌え」でバズらせようとすると、「燃え」てしまう(炎上してしまう)ようになったのだ。
ジェンダー表現の問題以外に、SNSの情報発信の裾野が広がり、企業はオタクの情報拡散力に頼る必要がなくなったという時代の変化もある。 「萌え」という言葉が廃れる一方で「エモい」「尊い」「推し」といった言葉が使われるようになったのは、こうした環境変化が背景にある。 そうした流れから位置付けると、マクドナルドの「いまだけダブチ食べ美」の施策は、一見すると時代錯誤にも見える。 ■すぐ炎上してしまうアニメキャラ
2020年以降にも、アニメキャラクターの「性的表現」での炎上はいくつか見られる。 2021年には、千葉県警が松戸市のご当地女性バーチャルユーチューバー(VTuber)・戸定梨香(とじょうりんか)とコラボした交通安全啓発動画が、露出度の高さを問題視した「全国フェミニスト議員連盟」から「女児を性的な対象として描いている」と抗議を受け、削除されるに至っている。 2022年には、日経新聞朝刊に掲載された漫画『月曜日のたわわ』の全面広告に描かれた女子高生のイラストが性的だと物議を醸し、国連女性機関から抗議を受けている。
また同年、新宿駅に掲出されたアニメ『鬼滅の刃』の広告で、女性キャラクターの露出が多すぎると物議を醸した。 他にも、JR大阪駅に掲示された、対戦型麻雀ゲーム『雀魂(じゃんたま)』とテレビアニメ『咲-Saki-全国編』とのコラボ・ポスターが、バニーガールや水着姿の女性キャラクターが描かれていることで、議論となった。 これらはすべて、既存のキャラクターを活用したものであり、2010年代に起きた炎上とは少し事情が異なっている。