春日大社が能登の神社支援、「同じ春日の神様」祭る縁 修理寄付金半額充当へ
春日大社(奈良市)は、今月から2年間に境内の摂社・末社修理のために集まった寄付金の半額を、能登半島地震で被災した石川県珠洲市の2つの神社を復興するための支援金に充てると発表した。大社では摂社・末社とともに、鳥居などが倒壊したゆかりある能登の神社への支援を呼びかけている。 【写真】倒壊した春日神社の鳥居=2024年1月、石川県珠洲市 大社が復興を支援するのは、珠洲市に鎮座する春日神社と二子神社。いずれも全国の「春日神社」が連携する「全国春日連合会」に加入している。春日神社では、大社の20年に1度の社殿大修理「第60次式年造替」(平成28年に正遷宮)を祝うために、高さ約16メートルの山車「燈籠山(とろやま)」を珠洲市から奈良まで運び、大社境内の飛火野でひいたこともあるなど、縁が深い。 だが、昨年1月1日に発生した能登半島地震では両社ともに被災した。春日神社の鳥居は令和4年の地震で倒壊し、クラウドファンディングも活用して翌年に再建されたが、能登半島地震で再び倒壊。地割れが入り、燈籠や社号標なども倒れた。大社の花山院弘匡(かさんのいんひろただ)宮司らは昨年5月、春日神社を見舞いに訪問し、厳しい現状を聞いた。 こうしたことから大社では両社の支援を決定。摂社・末社では修理のための寄付金を募っており、今回、その半額を復興支援金として贈ることにし、一口千円で協力を呼びかけている。寄付金は本殿前の授与所で受け付けている。 春日大社では「同じ春日の神様を祭る神社の状況に対し、支援をお願いしたい」としている。