サークルで出会った女優の卵を応援するといった手前、舞台の誘いを断れない。グループの皆が離脱する中、残ったのは2人だけ…
◆思わず発した言葉で会長補佐と呼ばれ え──!! これが世に言う《大人の対応》だとしたら空恐ろしい。「2度と行かない」が「また見たい」に換言されるなんて。即興でできるって、もしかしたら演技力はMさんよりこの人たちのほうが上なんじゃないの? 「Mちゃん、売れたらテレビにKさん呼んであげなよ」「初代ファンクラブ会長だもんね」 どっと笑いと拍手が起きる。 私は頭に血が上った。彼女らの言葉や表情の端々に「よくやるよ」という嘲笑が混ざっている。気さくでなごやかな集団が、底意地の悪い小姑集団に見えてきた。マダムKは困ったように微笑んでいる。内心どれだけ動揺していることか。助け船を出したかった。 焦る口から出たのが、「私もいますからね!」。途端に湧き起こる拍手と歓声。ヒューヒュー! 会長補佐、会長補佐! そういうわけで、私はマダムKとほぼ月イチのペースで観劇という名の修行に出かけている。マダムKは「無理しないで」と気遣いながらも「来てくれて心強いわ」と言う。 マダムKを置き去りにしたら、小姑集団と同類になってしまう。それだけはどうしても嫌だった。Mさんの芝居はいっこうに上手くならない。本人があきらめるか、マダムKが引導を渡すか──。 どちらにしても他力本願。私の苦行は自業自得、ここに極まれりだ。
◆選択肢の幅を広げる 内閣府による「令和3年度 高齢者の日常生活・地域社会への参加に関する調査結果」によると、「社会活動に参加してよかったと思うこと」について、「生活に充実感ができた」「新しい友人を得ることができた」という回答が多くみられます。 さらに、上記調査をもとにした消費者庁の「高齢者の社会貢献活動の取組状況」によると、「生きがいを感じている」と回答した65歳以上の高齢者のうち、過去1年間にボランティア活動や趣味の活動等の社会活動に参加した人は84.7%と、参加していない人の61.7%よりも高い割合に。 瀬尾さん(仮名)のように人間関係で困る場合もありますので、無理のない範囲で、生きがいを感じる選択肢を広げておくことも大切かもしれません。 厚生労働省が推進している「通いの場」も、手軽に参加できる交流の場の一つ。地域の住民同士が気軽に集い、ふれあいを通して「生きがいづくり」や「仲間づくり」の輪を広げる場所として、全国に広がっています。公民館や公園だけでなく、学校や店舗の空きスペースなどさまざまな場所にあるので、気になった方はお近くの地域包括支援センターや市町村の介護予防窓口でご相談を。 Webサイト「通いの場」では、地域ごとのおすすめ情報やご当地体操マップ、食生活や口腔ケアについての記事を読むことができます。 https://kayoinoba.mhlw.go.jp/
瀬尾かおり
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