横浜でもう一つの万博、2027年国際園芸博 知名度アップへ大阪の成功に期待
2025年大阪・関西万博の開幕が迫る中、国内でもう一つの万博の準備が急ピッチで進められている。横浜市内で27年3月~9月に開催される「2027年国際園芸博覧会」だ。有料来場者数1千万人、70カ国・国際機関の出展を目指す。まだ詳細を知らない住民も多いようで、関係者は「大阪・関西万博の成功が園芸博の知名度アップにつながってほしい」と期待を寄せる。 【写真】横浜市で開催される2027年国際園芸博覧会の会場イメージ 横浜市内にある相模鉄道瀬谷駅。昨年11月末に訪れると、駅に大量のポスターが貼り付けられていたほかは、開催地の雰囲気はほとんど感じられなかった。駅からタクシーで約10分。住宅街を抜けると、突然工事用の白い柵に覆われる地域が現れた。園芸博の会場建設地だ。 内側では造成工事が進むが、周辺住民の大半は「園芸博をやるのは知っているが、詳細は知らない」と口をそろえた。まだ、具体的な情報は乏しいようだった。 園芸博の舞台となるのは、2015年に日本に返還された、米軍上瀬谷通信施設跡地の一部だ。横浜町田インターチェンジ(IC)が近接する立地で、今後のまちづくりが課題となるなか、16年に横浜市が国に万博誘致を要望。21年6月に博覧会国際事務局(BIE)への開催申請が閣議で了解された。 園芸博の閉幕後、跡地は主に防災公園になり、隣接する残りの米軍施設跡地ではテーマパークや物流施設が整備される計画という。大阪・関西万博の会場が建設される夢洲(ゆめしま)(大阪市此花区)を再開発する大阪と、似た構図が浮かび上がる。 ■パビリオンなく、庭園主体の緑豊かな会場に どのような内容になるのだろうか。運営する2027年国際園芸博覧会協会によれば、大阪・関西万博と異なり、園芸博では建物だけの「パビリオン」は設置されない。代わりに、参加国や国際機関、企業などは、一定区画に庭園や、庭園に建物を組み合わせたものを出展し、世界の園芸や食農文化を発信するという。ほかにも、テーマ館や日本政府による庭園などが出展される計画だ。 会場全体は5つの「Village(ビレッジ)」と名づけられたゾーンに分かれ、地球環境や自然について学べる区域や、最先端の環境技術を体感できる区域、よりよい生活を送るための食や農業などについて学ぶことができる区域などが設定されている。