横浜でもう一つの万博、2027年国際園芸博 知名度アップへ大阪の成功に期待
運営面での準備も進む。公式アンバサダーには、人気俳優の芦田愛菜さんが就任。開幕千日前となる24年6月22日には、公式マスコットキャラクターの名前が約6千件の応募の中から「トゥンクトゥンク」に決まった。
小さな地球のなかにハート形の精霊がいるという姿で、協会のホームページ上では、トゥンクトゥンクと会話ができたりする。「デジタル時代に非常にマッチした」(協会の脇坂隆一・推進戦略室長)キャラクターで、今後は多面的な展開が期待されそうだ。
■目標は70カ国・機関、懸命の出展要請
大阪・関西万博との最大の違いは「認定博」という位置づけだ。
協会によれば、大阪・関西万博のようにBIE加盟国の参加が不文律の習慣となっている「登録博」とは異なり、認定博は、開催国の働きかけが不可欠。そのため政府と協会は日本国内の各国大使館や、海外の日本大使館を通じた出展要請を懸命に進めている。目標は70カ国・国際機関だ。
万博の種類の違いもあるが、園芸博の会場建設費は約320億円。これは、大阪・関西万博の最大2350億円の7分の1程度だ。しかし、有料チケットでの来場者数目標は1千万人を想定している。決して低いとはいえない目標だ。
人工島で開催する大阪・関西万博と違い、近接する鉄道駅は4駅あり、協会はそこからシャトルバスを運営する計画だ。交通の便が良いこともあり、一定数の自家用車の乗り入れも容認する。
PRなどの予算も限られるなか、関係者が気にかけるのは大阪・関西万博の動向。協会の脇坂隆一・推進戦略室長は「大阪が成功することで園芸博への(一般国民の)知名度が高まれば」と話す。(黒川信雄)