今日スペインと初戦!“日本版ドリームチーム”八村塁と渡邊雄太はNBAで何を手にして東京五輪に挑むのか
チームが危機に陥っても決して下を向かず、チャンスを作り出すビールとウェストブルック。チームメイトを信じる心、チームメイトに勇気を与えるリーダーシップ。今季、彼らの背中を見てひた走ってきた八村は、二人から多くを学んだ。 八村がウェストブルックを見ていて見習いたいと思った姿勢が他にもある。試合の時とオフの時の切り替えだ。 「ラッセル(ウェストブルック)は、ゲームデーとゲームじゃない日の性格が違う。本当に変わるぐらいゲームの日はロックインしているので、そういうところはさすが。しっかり学んでいきたいと思います」 コートから離れても、なかなかバスケットのことが頭から離れない八村にとっては、この切り替えができるかどうかは、ずっと課題だった。もちろん毎試合最高のパフォーマンスをするための体のケアもウェストブルックを見て刺激を受けた面だが、試合が終われば、それは過去のこととして頭からシャットアウトし、オフは心をリラックスさせ、試合日は神経を集中させて全力を尽くせる状態にもっていくことは、日本代表でプレーする上で、身につけておきたいことなのだという。 ラプターズの渡邊にとって3年目の今季は、これまで信じてきた自分の力がNBAで十分に通用すると確信でき、さらに技術と自信を高めたシーズンだった。 渡邊は、プレシーズンゲーム3試合で1試合平均10分出場、4.7得点、3.7リバウンド、スリーポイントは計5本の試投中3本を成功させてラプターズのフロント陣にシーズン中もキープして伸ばしていきたいと思わせた。ツーウェー契約を手に入れたあとも本契約を交わすまで、故障で欠場した4試合以外はすべてベンチ入り。グリズリーズでの2年間、NBAの舞台で出場機会が十分に得られず悔しい思いをした日本のキャプテンは、コートに出れば1秒も無駄にしないという気持ちを露に得意のディフェンスで相手の主力に食らいつき、積極的にスリーポイントを狙いに行った。 2月に左足首の捻挫で4試合に欠場して以降、スランプに陥り苦しんだ時期もあったが、地道に努力を積み重ね、スランプを抜け出した時にはユーロステップを使って得点に持ち込んだり、アンドワンを得たりゴール下でも得点を重ね、これまで以上に攻撃の幅を広げた。またディフェンスでは、ブルズ戦でラプターズがボックスワン(4人の選手がゾーンで、一人の選手が得点力のある選手を1対1で守るディフェンス)を起用した際、今五輪のアメリカ代表メンバーでもあるザック・ラビーンを渡邊がマーク、またキャバリアーズ戦では、同じボックスワンで渡邊が得点力のあるガード、ダリアス・ガーランドを守るなど信頼の高さをうかがわせた。