「なぜ障害者が妊娠すると『おめでとう』ではなく憐れんだり怒ったりするんだろう」車椅子ママ・千葉絵里菜(29)が子育ての様子を発信し続ける訳
── 実際に育児を始めてみていかがですか? 千葉さん:育児はできるだけ自分主体でやるようにしていますが、もちろんできないこともあるので、家族やヘルパーさんの手を借りながらやっています。重度訪問介護という制度の中に育児支援も含まれているので、今は11人のヘルパーさんが交代で朝7時から夜22時まで入ってくれています。夫は仕事から帰ったら率先して育児を手伝ってくれていますし、近くに住む母も手伝いに来てくれています。心配なことは、ミルクを飲む量が少ないとか、同じ月齢の子の情報と比べてどうか、といった、きっと初めての育児によくあることですかね。ヘルパーさんに子育て経験がある方もいらっしゃって、教えてもらいながら楽しく子育てしています。
■障害者が子どもを産むとなぜか「親のエゴ」だと言われてしまう ── SNSやブログで車椅子ママの子育てについて発信し、このような取材を受けていらっしゃる原動力は何ですか? 千葉さん:取材記事が出ると、いろんな意味で反響はすごく大きいです。6月にも妊娠・出産について語った記事が出て、それについては1000件くらいコメントをいただきました。なかにはやはり「親のエゴで子どもを産むなんて」といったご意見もありましたが、全部目を通しました。記事に反響があるのはすごく嬉しいのですが、誰もがたまたま今の両親のもとに生まれてきたはずなのに、障害者が子どもを産むとなぜ「親のエゴだ」と言われなくてはいけないんだろう、という気持ちはあります。
SNSなどで発信を続けているのは、子どものためです。今はまだ生後5か月ですが、今後外でほかの親子とふれ合うようになったときに、車椅子のママがどういう目で見られるんだろうというのは、やっぱり考えるんですね。だから私のことで娘が嫌な思いをしないように必死に動いてるんです。Instagramでリール投稿を続けているとフォロワーさんが1000人単位で一気に増えましたが「車椅子のママはこんなふうに子育てしているよ」というのをもっと知ってもらいたいんです。