ミドル級”最強”ゴロフキンが2日後に迫った村田諒太との”世紀の一戦”を前に公約した「見応えある試合」の意味を紐解く
プロボクシングのWBA世界ミドル級スーパー王者、村田諒太(36、帝拳)とIBF同級王者のゲンナジ―・ゴロフキン(39、カザフスタン)との歴史的ビッグマッチ(9日・さいたまスーパーアリーナ)がいよいよ2日後に近づいてきた。6日にはゴロフキンの公開練習が行われたが、新型コロナの感染予防のためメディア対応は代表撮影と書面での質問への返答となった。ゴロフキンは2020年12月以来の1年4か月ぶりのリングになるが、ブランクの影響を否定し「一つだけ約束できるのは見応えある試合になる」と宣言した。「見応えある試合」とは何を意味しているのか。
「すべてに満足している」
ゴロフキンに死角はない。 米国フロリダのキャンプでほぼコンディションも体重も作り上げて来日したのだろう。ツイッターにアップされた帝拳ジム内でのミット打ちの映像では、スピードとパワーを見せつけ、特に強烈な左フックが印象に残った。頬はこけているが表情は明るい。公開練習は書面によるやりとりだけになったが、ロープ、シャドー、ストレッチなどを約45分間行ったという。 3月31日に来日。新型コロナ対策のため、帝拳サイドは、都内の最高級ホテルのワンフロアをゴロフキン一行専用に確保。外部との接触を避けるためホテルでは専用エレベーターを使い、練習場所の帝拳ジムまで消毒された車で送迎し、またホテルに直帰するという“ボクシングバブル”を作った。隔離期間が終わってもゴロフキン一行は、外出を避けてホテルにこもっているという。 滞在経費は、約4500万円と桁ちがいだが、帝拳ジムの公式サイトに掲載された記事によるとゴロフキンは、「すべて満足しています。受け入れ体制は万全。必要なものはすべて整えてもらっています。不便を感じることは全くありません。(バブル内での行動は)ルールですし自分にとっても一番大事なのは健康。ボクシングに支障がないように、誰も健康被害がないようにするのが一番です」と、異国での待遇に満足している。 「日本の印象は素晴らしいです。すべてがプラス方向。天気も素晴らしく人々も素晴らしい。これはある程度想像していたし、その通りでした。気配りやサービス。これまで私が経験した中で最高だと思います。それから日本ではスポーツが愛されていて、選手を応援しています。何事にも尊敬を持って接しているのがわかります。伝統や文化を感じて、とても居心地がいいです」 「紳士」として知られるゴロフキンは日本に対するリスペクトを最大級の言葉で表現した。 だが、リングに上がると別人。41勝(36KO)1敗1分けの戦績通りに、知性と野生を兼ね備えた怪物である。世界王座は21度防衛してきた。 先日の公開練習で村田は「1ラウンド勝負」「インファイト勝負」の戦略を明かした。