4.9埼玉“世紀の一戦”を前に村田諒太が“ゴロフキン仕様”に変貌…「1ラウンド勝負」と1対4の不利賭け率を覆す戦略明かす
プロボクシングのWBA世界ミドル級スーパー王者の村田諒太(36、帝拳)が28日、東京・神楽坂の帝拳ジムで、2週間後に控えたIBF世界同級王者、ゲンナジー・ゴロフキン(39、カザフスタン)との世紀のビッグマッチ(4月9日、さいたまスーパーアリーナ)に向けての練習を公開した。インファイトを想定した洗練された“ゴロフキン仕様”へ変貌を遂げていた村田は「1ラウンド勝負」と戦略の一部を明かし「怖いのはゴロフキンよりまた延期になること」との複雑な心境を語った。また行政が定めた入場制限は撤廃されたが、2万2000人収容のところ、新型コロナの感染拡大防止に配慮して1万6000人に制限、来場者には2人のイラストの入った特製マスクが配布されることになった。チケットの2次販売は、今日29日から始まる。
強烈なプレッシャーと左ボディ
疲労はピークだった。8年前に村田と対戦して以来、常連のスパーパートナーとなったアドリアン・ルナ(31)を相手にした2ラウンドの公開スパー。足は動かず、村田曰く、週末に行った初動負荷トレーニングでストレッチをしすぎた影響で「筋肉の反応が悪く」、ルナのパンチに対するディフェンスの反応も鈍く見えた。 「まあまあ。今までやった中でいいスパーかと言えばそうじゃない。想定できないような(ひどい)内容かといえばそうでもない」 その中でも“ゴロフキン仕様”に変貌を遂げたファイティングスタイルを披露した。 インファイトと言われる接近した距離からジャブ、右ストレート、ワンツー、そして対ゴロフキン戦のカギとされる左のボディアッパー、右のボディストレートなどを的確に放った。 「イメージとしてはしっかりとプレッシャーをかけて、もっとボディを打つ」 ゴロフキン戦を想定したインファイトだ。なにより驚いたのは、パンチの無駄な予備動作などがそぎ落とされ、ショートレンジから放つストレートやジャブが洗練されていたこと。フックをほとんど打たなかったことが「隠しているのか」と気にはなったが、バランスがよく、体重とパワーがしっかりと拳に乗っていた。 「よくなっているかなという気はします。ロングレンジで強みを出す相手。ロングは僕も得意ですが、そこだけだと、“当たったもん勝ち”みたいな試合になっちゃう。そのあたりをしっかり勉強してきた」 ロングレンジからステップインしてぶっ放す右ストレートは村田のフィニッシュブローでもあるが、その距離でジャブの差し合いやボクシングをしたら、ミドル級世界最強のゴロフキンが1枚も2枚も上。とにかくプレスをかけて下がらせねばならない。