村田諒太は4.9埼玉で再セットされた世界最強ミドル級王者ゴロフキンとの歴史的ビッグマッチに勝てるのか…4か月延期の追い風
プロボクシングのWBA世界ミドル級スーパー王者の村田諒太(36、帝拳)とIBF世界同級王者のゲンナジー・ゴロフキン(39、カザフスタン)との王座統一戦が4月9日、さいたまスーパーアリーナで行われることが3日、都内ホテルで発表された。当初、両者は昨年の12月29日に対戦予定だったが、政府のオミクロン株の水際対策で外国人の新規入国できなくなり延期となっていた。またアンダーカードでWBO世界フライ級王者の中谷潤人(24、M.T)と同級2位の山内涼太(27、角海老宝石)の防衛戦、OPBF東洋太平洋&WBOアジアパシフィック・ライト級王者の吉野修一郎(30、三迫)が元WBO世界スーパーフェザー級王者の伊藤雅雪(31、横浜光)を迎えての防衛戦が行われる。
「気落ちする時期もあった」
歴史的なビッグマッチが再セットされた。 スーツ姿で昨年の11月12日以来、2度目のゴロフキン戦の会見に臨んだ村田は、「去年の会見が遥か昔にように思える」と率直な心境を伝えた。 「モチベーションの維持は一定ではなかった。気落ちする期間もあったが、いい形で揺れながら最終的にいい状態を作れた。準備していただき、迷惑をかけた方々のことを考えると軽々しくは言えないが延期して良かったし延期期間が自分を高めてくれた」 昨年の12月29日にさいたまスーパーアリーナで開催される予定だったゴロフキン戦は、政府の水際対策の影響で一度流れ、次に2月26日に横浜のぴあアリーナで行う予定が組まれていた。だが、この試合も政府の措置が延長となったことでまた白紙となり、政府の方針の変更を待って、ようやくGOサインが出た。そもそもゴロフキン戦以外の防衛戦予定から数えるとこの2年4か月間に実に8回もの中止、延期があったのだ。 村田は、この月日をゴールのないマラソンに例えた。 「よく村田は耐えているよね?と表現されるが、耐えている感じはしない。椅子に座っているような同じ姿勢で耐えている感じじゃない。ここに目標があるぞ、行け!で走ったけれど、その目標が消えて次に目標があって、また走れと幻を追って走ってきた。でも、バテはある。さすがに、これ以上はしんどい」 ギリギリの状態にまで追い詰められていたことは間違いない。もうこれ以上の延期は難しい状況にあった。本田明彦会長がリーダーシップをとる帝拳グループが総力をあげオミクロン株の猛威と戦いながら綱渡りのような交渉と準備の末、実現にこぎつけたのだ。 この間の村田を支えてくれたのが、他のマッチメイクに目移りすることなく、日本の状況が落ち着くのを待ってくれた海の向こうのミドル級世界最強ボクサーの存在である。