障害のある兄弟姉妹と育った「きょうだい児」が自身の進学・就職・結婚について考えたこと #令和の子
「親亡きあと」の同胞の生活をどうするか?
同胞のきょうだいである方にとっての大きな不安は、やはり「親亡きあと」だといえます。同胞の生活を守りつつ、きょうだいの方の人生の可能性を閉ざすことのない道筋はあるのでしょうか? 相続問題にくわしい山村法律事務所の山村暢彦弁護士は、このように語ります。 「まず、相続人のなかに判断能力の不十分な方がいる場合、相続手続きを完結させるには〈後見人制度〉という、相続人ご本人の代わりに判断するご親族または専門家を選任する制度を利用する必要があります。亡くなった方の生活収支を把握しているご親族がいればいいのですが、万一疎遠な場合は、後見人の選任申立てに必要な資料が集めにくくなり、手続きの負担は大きくなりがちです。そのためにも、親族間での情報共有が重要になります」 一方で、日本の社会福祉の実情はどうでしょうか? 「これまでの経験上、社会保障制度を利用しながら、なんとか家計のやり繰りをして生活ができている方が多いというのが、法律の現場の肌感覚です。ただし、社会保障を受けるための手続に身近な人の協力が必要になることが多いですし、介護状況や病状が大変な場合には、金銭的な負担が重くなるケースも想定されます。相続財産を活用する場合、上述した通り、後見人等の法的な判断権者の選任が必要になりますので、事前によく話し合って対策を立てておくことが大切です 専門家の方々のお話を総括すると、家族と情報共有しながら、充実した福祉制度を活用し、それでも不安があるときには医療の専門家・法律の専門家を頼りアドバイスを受けることが重要だといえます。 きょうだい児の方が自身の責任感から、自分の人生の選択肢を制限・抑制することなく、あらゆる可能性や選択肢をためらいなく選べるよう、社会全体でサポート、バックアップしていくことが望まれます。 ※この記事は、THE GOLD ONLINEとYahoo!ニュースによる共同連携企画です。
THE GOLD ONLINE編集部
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