「それは違うよ」と父に言いたい――性教育を受けた生徒たちが大人に感じるギャップ #性のギモン
「大人がもっと人権と性について学んでほしい」
2年生になると「性と生」の授業はなくなる。武川マイコさん(仮名)はこう言う。 「ジェンダーや人間関係、差別の問題は、2年生になったからといってなくなるわけではない。授業がないと関心は薄れてしまうかも。だから3年生の総合学習『人権』で性もまた扱ったほうがいいと思います。人権も性も、生きていくうえで必ず関わることだから」 人権が侵害された、と感じることはあるかと聞いてみた。生徒たちからは校則が厳しいと感じること、アルバイトの面接で見た目についてあれこれ言われること、社会に出たら生理で休みが取れないだろうこと、などが出た。そして、「大人がもっと人権と性について学んでほしい」と言う。
水野先生は、生徒の「人権も性も、生きていくうえで必ず関わること」という発言を聞いて喜んだ。 「自分自身は、性と人権が不可分のものなんだと気づいたのは、大人になって性について学んでからでした。それ以前は、言われるままに、コンドームを持っている生徒を『不純異性交遊』と決めつけてつき合いをやめさせる『指導』をしたりしていた。その間違った『指導』が生徒の人権を傷つけるとわかっていなかった。だから生徒が自然にこのつながりに気づいて話してくれたことがとてもうれしかった」 性について学ぶ高校生は、親や先生との知識のギャップを感じている。水野先生はこう言う。 「生徒たちは自分が学ぶことで周りの無知に気がつき、『いまだにこんなことを言ってるんだ』と反発したりもする。大人がこれから性の学びをするとしたら、書籍・サイト・講座の3種類くらいしかない。これらの情報を共有しながら、大人こそ性について学ぶ必要がある、という意識が広がればと思います」
--- 「#性のギモン」は、Yahoo!ニュースがユーザーと考えたい社会課題「ホットイシュー」の1つです。人間関係やからだの悩みなど、さまざまな視点から「性」について、そして性教育について取り上げます。子どもから大人まで関わる性のこと、一緒に考えてみませんか。