生ごみを減らしたら町に図書館が建った 食品ロス削減で暮らしは豊かになるのか? #くらしと経済
家庭では年7万2000円も捨てている
企業や行政だけでなく、一般家庭でも食品ロスを削減すれば暮らしを少し豊かにできる。 一世帯当たりの食品ロスによる損失は年間でどれくらいの額になるのだろうか。 2023年12月に三菱UFJリサーチ&コンサルティングが発表した調査結果によると、年間7万2000円だった。月額に換算すると6000円。単身世帯の1カ月あたりの電気代の平均額6726円(「家計調査 家計収支編 単身世帯2023年」)をほぼまかなえる計算になる。 食品ロスをゼロにすることは難しいかもしれないが、少しでも減らして月数千円お得に暮らすにはどうしたらいいかをまとめてみた。 まずは日々の買い物から見直してみよう。
買い物前にリストを作ることはイメージしやすいが、空腹を避けるのは意外に思うかもしれない。米ミネソタ大学の研究者が行った調査によると、おなかがすいた状態で買い物に行くと購入金額が64%増えるという。食事後やアメをなめて買い物に行くと、それだけで無駄な買い物を防げるのだ。 また、まとめて安く商品が売られているケースや値引き品にも注意が必要だ。例えばキャベツ4分の1個が必要なとき、4分の1個100円の商品ではなく、まるごと1個300円の商品を買ったほうがお得に感じるかもしれない。でも、食べきれず、残りの4分3を食品ロスとして捨ててしまえば、4分の1個を300円で買ったことになり、結局コストを大きくしてしまっている。多少割高に感じても、適量を買うことで無駄な出費を減らせることを意識しておこう。 無駄な買い物を減らすことは食品 ロス 削減に大きく貢献できることがわかってきた。それはコロナ禍で日頃の買い物が制限された結果、世界中の国々で 家庭の食品ロスの減少傾向が見られたからだ。 例えばイタリアではスーパーに入店できる人数が制限され、寒い3月に外で並んで待つことを余儀なくされた。スーパーでの買い物を減らして家庭で料理する機会が増えた結果 、調査対象者のうち38%が「コロナ前に比べて食品ロスが減った」と回答した。 英国でもコロナ禍でロックダウン(都市封鎖)となった結果、 パンやジャガイモ、鶏肉など食料品の廃棄が34%減った。 また、買った食材を家でどのように消費、処理していくかも重要だ。