生ごみを減らしたら町に図書館が建った 食品ロス削減で暮らしは豊かになるのか? #くらしと経済
家庭においては「冷蔵庫を制するものは食品ロスを制す」といっても過言ではない。農林水産省の調査によると、家庭の食品ロスの中で47.7%を占めるのが野菜類。冷蔵庫を満杯にしてしまうと奥にあったものを使い切れずに廃棄するケースが起きやすい。こうした事態を避けるためには冷蔵庫は奥が見える状態で 50~70%ぐらい入れるのがオススメだ。また、期限表示を見えるようにしたり、賞味期限などを書いたマスキングテープを食品の容器やパッケージの見えやすいところに貼っておいたりするのも手だ。 使いきれなかった食材や食べ残しはコンポストで堆肥にしたり、生ごみ処理機で乾燥させたりすることで生ごみの量を減らすこともできる。全国の自治体の55%が生ごみ処理機に助成金を出しており、半額から3分の2の価格で買える場合もある。小さな工夫で月数千円お得に過ごしてみてはどうだろうか。
年間4兆円分の食品ロスは「伸びしろ」
日本政府は、2022年度の食品ロス推計値の発表の際、「2030年度までに半減するという目標を8年も前倒しで達成した」と述べている。政府は、その要因について、企業による賞味期限の延長や納品期限の緩和などの取り組みが進んだためとしている。 しかし、日本の場合、食品ロスが年間980万トン発生していた2000年度を基準にしている。膨大な食品ロスが発生していた年を基準にすれば、達成が容易だからだ。また、公正取引委員会による調査(2020年9月2日発表)では、大手コンビニ一店舗あたり年間468万円に相当する食品を廃棄しており、事業系の取り組みも完璧とは言い難い。 年間4兆円分もの食品ロスを出している日本。だが、裏を返せば大きく減らせる伸びしろがまだまだあるともいえる。政府は、食品ロス量が横ばいの家庭系に関し、未開封食品や食べ残しの廃棄をいかに減らすかが課題としている。「目標達成した(からOK、減らさなくていい)」という論調に甘んじず、積極的に食品ロス削減にチャレンジしていきたい。 食料品価格や光熱費も値上げで支出が増えているからこそ、無駄な出費を減らすために 食品ロスを積極的に減らしていきたい。食べ物を捨てることは、お金を捨てることだから。 --- 「#くらしと経済」はYahoo!ニュースがユーザーと考えたい社会課題「ホットイシュー」の一つです。生活防衛や資産形成のために、経済ニュースへの理解や感度をあげていくことは、今まで以上に重要性を増してきています。一方で経済や金融について難しいと感じる人も。くらしと地続きになっている日本や世界の経済について、身近な話題からひもとき、より豊かに過ごすためのヒントをユーザーとともに考えます。