Xマスマーケット、4000円のイチゴカップに行列-TikTokで人気広がる
「特に新型コロナ禍以降、人々は、人生とはモノではなく、瞬間であり、その瞬間を他の人と共有することなのだと気づいた」とブハリス氏は言う。今年、モノへの支出が減少する一方で、サービスや体験への消費支出は増加を続けている。そして、その共有の部分こそが、あらゆるソーシャルメディアの出番なのだ。ソーシャルメディアがなかったら、「レインボー・グリルドチーズサンドイッチ」が流行することもなかっただろう。
ブライアントパークのバンク・オブ・アメリカ・ウィンター・ビレッジは、45フィート(13.716メートル)のクリスマスツリーやきらめくイルミネーション、アイスリンク(スケート靴のレンタル料は20ドル=約3140円)、高級ダイニング用イグルー(90分242ドル)など、「インスタ映え」する要素が満載だ。 さらに、変わった靴下や犬用レインコート、オリーブウッドのまな板、吹きガラスの飾り物など、さまざまなギフトを販売する数百もの出店もある。
しかし、何と言っても主役は食べ物だ。今年は、串に刺したフライドピクルス、焼きマシュマロ入りホットチョコレート、ラクレットサンドイッチなど、さまざまな料理がインターネット上で一躍有名になった。
店の運営は簡単ではない。出店者は水道も使えない極寒の気候と闘いながら、ホスピタリティー企業であるアーバン・スペースから8週間にわたってブースを借りるために4万ドルもの費用を支払っている。もちろん、日々の売り上げからもかなりの額を手数料として支払う。しかし、その費用と苦労に見合うだけの見返りがある。
「信じられないほど混雑しているという表現では、この人出を言い表すには不十分だ」と、クリーミーなトマトソースをかけ拳大のブラータチーズの塊をトッピングしたウォッカ風味ニョッキで一躍有名になった「ニョッキ・オン・ナインス(Gnocchi on 9th)」のスタンドを経営するアリエル・ストリゾワー氏は話す。このスタンドでは1個20ドルのニョッキを毎日約1000箱販売しており、これは同氏が通常店舗で販売している価格の2倍だ。