Xマスマーケット、4000円のイチゴカップに行列-TikTokで人気広がる
ニューヨーク州ロングアイランド在住のエイブリー・ドネリーさん(18)と家族もニョッキを購入した。ドネリーさんは、TikTokで「必食グルメ」を紹介する動画を数十本見ており、家族を説得してそのグルメ巡りの日を設けた。
「チリパウダーと相性がいいわね」とエイブリーさんが言うと、母親のシオバンさんが「ウォッカの風味がもっとあってもいいわ」と批評する。
家族はニョッキの良し悪しについて議論しながら、ストロベロのドバイイチゴカップを買うために1時間並んで待っている。25ドルのイチゴカップは「高いわね」と言いながらシオバンさんは「でも、その体験が大事なのよね。家族のために写真を撮ったり、夜にライトアップされた様子を見たりできるわ」と思い直す。
ストロベロのブースのオーナーであるアンナさんとワシリー・マリシェフさんにとって、TikTokで人気者になったことは宝くじに当たったような気分だ。過去にフェスティバルやファーマーズマーケットで屋台を経営して苦労してきたが、今では毎日1000ポンド(454キログラム)のイチゴを売り上げている。
「誰にもお金を払っていないし、マーケティングもしていない」とワシリーさんは言う。「マーケット側が『何とかして人だかりを整理してくれ』と言ってきたとき、口コミで広がっていることに気づいた」のだという。
「人々がどんどん投稿し始め」、口コミは顧客だけでなく、夫妻が常設店舗を開くのを支援したいという投資家も引きつけた。「可能性は無限大だ」とアンナさんは話した。
空が暗くなり灯かりがともるころに、エイブリーさんとシオバンさんはストロベロの列の一番前にたどり着いた。2人は大満足だった。「信じられない」とシオバンさんが絶賛する。「10点満点中12点よ」とエイブリーさんも同意した。エイブリーさんはTikTokにレビューを投稿するつもりだ。
ブハリス教授によれば、このような瞬間こそ人々がこうしたマーケットに来る際に期待しているものだ。その魅力の核は、伝統そのものと同じくらい古くからあるもの、つまり友人や家族と楽しむひとときだ。