亡くなってからではもう遅い…50代の人がやりがちな「間違った親の見送り方」
累計188万部の大人気シリーズ『おとなの週刊現代』が大幅リニューアル! 週刊現代で大反響だった記事の中から、相続や在宅介護など、「死後の手続きと生前準備」にまつわる記事を、加筆のうえ、ピックアップ。 【マンガ】「憧れのタワマン生活」が一転…!残酷すぎる「格差の現実」 〈第1部 知らないと損する死後の手続きの新常識〉、〈第2部 今日から始める生前準備のすべて〉、〈第3部 身の回りの整理整頓。人生の最期を考える〉の三部構成からなる『おとなの週刊現代 2024 vol.4 死後の手続きと生前準備』 (講談社MOOK) より一部抜粋・再編集して、人生の最期で失敗しないためのノウハウをお届けする。
50代:遺産を巡る「泥沼の争い」を防ぐ
Case1:回りくどいことは言わず、親に「相続対策してほしい」と切り出した 林田光男さん(53歳、仮名)には80歳を過ぎた父がいる。東京23区内に一戸建てがあり、大企業に勤めたこともあって、資産は1億円を超えるはずだ。 「このままだと高い相続税を払わされる」と考えた光男さんは、父に「そろそろ相続対策を考えて、生命保険に入ってみないか」と相談してみた。 相続対策は早めに準備するに越したことはない。光男さんの見通しは間違っていなかった。だが、理屈では通らないことがあるから相続問題はややこしい。
親と揉めずに「死後の準備」について話すには
「父は『保険で減らせる税額なんて知れている』『十分なものを遺すからお前は心配するな』の一点張り。しかし、対策をするかしないかで税額が数百万円単位で変わってくることは明らかでした。そこで私は根気よく説得しようと、何度も話をして保険のパンフレットを見せたり、相続に関する雑誌の切り抜きを見せたりもしました。 すると、ついに父は腹を立て、『そんなにオレに早く死んでほしいのか』と怒鳴り、親子げんかになってしまいました」 それ以来、父とはすっかり疎遠になっている。税理士の天野隆氏が忠告する。 「子供から老親に死後の手続きを迫ると、もめることが多い。70代を過ぎて、人生の残り時間が見えてくると、誰でも切迫感を感じるもの。下の世代に『死後の準備をしろ』と言われて、気持ちがいいはずがない」 そこで、お勧めなのが自分や親の誕生日などに一人で親の話をじっくり聞いてあげること。おカネの話をしないで、暮らしの不安などを聞く。 「無理に誘導せず、話しやすい空気を作ることが重要です」(天野氏) 答え→×。相続の話はゆっくり根回しをしてからでないと、もめやすい。