ソフトバンクの“熱男”松田宣浩がキャンプイン直前に語る「知られざる苦悩」と「熱男誕生前夜への回帰」
共にチームを支えてきたひとつ年上の内川聖一が新天地のヤクルトに移籍した。 「10年前にホークスに来てチームの雰囲気を変えてくれたのが内川さん。今年は他の好調な選手とポジションがかぶったり、いろんな条件が重なって試合に出れず退団となった。同年代として寂しい気持ちもある」 ヤクルト移籍が決まったときに松田から「頑張って下さい」とメールしたという。 「どれだけやってくれるか楽しみ」 内川の処遇を見ているとチームの厳しい競争原理はおのずとわかる。だが、松田の逆襲の炎はメラメラと燃えている。 工藤監督は日本シリーズでMVPを取るなど新生ソフトバンクの象徴となっている24歳の栗原陵矢の三塁コンバート案を明らかにしている。松田はリーダーとしては若手を引っ張る立場にあるが、個人としては、その若手との競争の場に置かれる。難しい立ち位置だが、「ハイ、どうぞ」と三塁を明け渡すつもりはない。 物議を醸すことを承知で、あえてこう宣言した。 「若い選手がみんなよくなってきた。1軍で結果を出して2年目の今年に向けてのスタートラインに立った選手は多い。だが、僕は若い頃に先輩にこう言われた。“1年だけ結果が出ても2、3年続けて出さないと一緒だぞ”と。今、彼らにも同じ言葉を言いたい。2、3年続けて、結果を出してみろ。甘くはないぞと。3年続けて結果を出すと、4、5年と続くが、1年で下がると、まぐれ、たまたまということになる。そういう選手にだけはならないで欲しいからね」 激化するチーム内競争こそがソフトバンクの強さの秘密。「熱男」の逆襲が5年連続日本一に向かうソフトバンクの起爆剤となるのかもしれない。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)