まるで「日本列島のよう」…「プレートの沈み込みからできる火山弧」の一端にある島で起きた「街をまるまる飲みこむ」ほどの大噴火
スフリエールヒルズの目覚め
1992年、スフリエールヒルズ火山とその周辺で通常の活動を上回る地震が観測された。1995年7月までの3年間に地震が活発になった期間は合計18回にも上った。 1890年代、1930年代、1960年代にも地震が活発化したことがあったが、結局噴火 に至らなかったという経緯があり、そのためこの時もすぐには噴火に結びつけて考えられなかった。しかし1995年7月18日、山頂の東側に開いた凹地(イングリッシュ火口)でとうとう水蒸気爆発が発生した。スフリエールヒルズ火山が長い眠りから目覚めたのだ。 * * * 続いては、長い眠りから目覚めた1995年のスフリエールヒルズ火山の噴火。その経緯を追いながら、活動の詳細を検証していきます。噴火により、わずか数年で島の姿と、人々の生活は大きく変わっていきます。 島はどうしてできるのか 火山噴火と、島の誕生から消滅まで 島……その創造と破壊から、地球の姿が見えてくる
前野 深(東京大学地震研究所准教授)