冗談めかした「給料ドロボー」はアウト?…自覚なきハラスメント、線引きは 社長「教えるのがパワハラなの?」【#みんなのギモン】
■会社側「社員は非を認めて処分した」
こうした内容を今年2月に放送。すると会社側は、「パワハラがあったかのような報道があった。不正な業務が行われているようで、叱責されているのを録音された。(社員は不正について)非を認めたため厳正に処分した」とのコメントを出しました。 これに対して社員は「取引企業から弊社への支払いが滞り、回収を行っている。だが社長は回収額が少ないと怒り、私たち社員が横領しているからだと思い込んでいる。不正などなく、処分も受けていない」と訴えました。
■視聴者から番組に寄せられた声
鈴江奈々アナウンサー 「複数の社員の方々が追い詰められている一方で、社長の認識としては教育的な指導であるという考えで、そこにギャップがありましたね」 小野解説委員 「この問題を報じたら、視聴者からさまざまなご意見が寄せられました。例えば『怒りの感情をぶつけても業務の改善に役立たない』という声です」 「とても多かったのは『昔はこのような怒鳴られ方はあったが今は時代が違う。特に年配の世代はアップデートしないと、誰も寄り付かなくなる』という意見です。『注意しても改善されない場合、教育・指導である程度の厳しさは必要だ』との声もありました」 斎藤佑樹キャスター 「僕も会社を経営している立場なんですけど、何か事業を成功させようとする上で、社員と経営者とでちょっとギャップを感じる瞬間は出てくるんですよね。ただ、やっぱりその中でもコミュニケーションが大事だし、相手がうまく受け取ってくれれば、それでいいのかなと。そのためにはコミュニケーションが大事だなと僕は思うんですけど、そう思ってるのも、僕たちだけなのかもしれないですね」 森圭介アナウンサー 「私も後輩が多いので、若手とのコミュニケーションの時には慎重にはしようと思っていますね」
■これはセーフ?…線引きはどこに
小野解説委員 「これから挙げるケースはパワハラかどうか、原島弁護士の監修で考えます。営業成績が芳しくない社員に、上司が奮起を促そうと『この給料ドロボー!』と言った場合、アウトになる可能性があります。奮起を促すどころか、部下を精神的に追い込むことになります」 「では、冗談めかして『給料ドロボーって言われちゃうぞ』と言ったら、どうでしょうか?」 森アナウンサー 「言い方の問題じゃなくて、『ドロボー』という言葉が入っている(のでアウト)。むしろ穏やかに言われた方が嫌かな…」 小野解説委員 「これもアウトになる可能性があります。給料泥棒という言葉が問題なんです。どんな言い方をしてもきつく突き刺さるじゃないですか。上司は、部下と人間関係ができているから大丈夫と思っても、言葉1つで人間関係は崩れてしまうかもしれません」