冗談めかした「給料ドロボー」はアウト?…自覚なきハラスメント、線引きは 社長「教えるのがパワハラなの?」【#みんなのギモン】
■患者らによる「ペイハラ」の実態
小野解説委員 「もう1つ深刻なのが、客からの迷惑行為。中でも病院で起きるものです。医師などに対するハラスメント『ペイシェントハラスメント(ペイハラ)』が横行しています。 病院の事務で働く50代の男性に話を聞きました。「ルール外の医師への面会だったり、診療について繰り返し要求される。(自分の)名前を言われ、『バカ』であるとか『アホ』であるとか」 ある50代の医師は、患者の親族に治療の経過を報告した際、ペイハラを受けたといいます。 医師 「『何やってるんだ!』『うまくいってないじゃないか!』『この病院どうなってんだ!』『お前の治療はどうなんだ!』とかなり厳しい、強い言葉で、面談室で怒鳴られた。5~6時間続きましたね」
■暴れ出す患者も…病院の対策は?
5年前からペイハラ対策に取り組む埼玉・春日部市の市立医療センターを訪ねました。 待合や受付には、予防策としてペイハラをしないよう呼びかけるポスターがあります。蜂矢隆彦副院長は「暴力や暴言、大声を出しちゃいけませんよ。過剰な要求をされても困ります」と意図を説明します。 掲示物には「撮影禁止」の文字もあります。言葉だけではないハラスメントも起きていました。 蜂矢副院長は「(撮影者は)入院患者さんですね。特定の看護師さんに対して写真を撮影して、『この病院にはこんなかわいい子がいるよ』みたいな形でネット上にアップする」と言います。 ハラスメントがエスカレートし、暴れ出す患者もいます。万が一の備えとして蜂矢副院長は「『さすまたチーム』というものをつくっておりまして、訓練も行っております」 厚労省はペイハラ対策の情報を医療機関に周知することや、警察との連携を推進することを都道府県に呼びかけ、患者から繰り返し迷惑行為などがあった場合には、診療の求めに応じなくてもよいと通達しました。
■犯罪や損害賠償の対象になるケースも
小野解説委員 「福﨑博孝弁護士によれば、ペイハラの内容によっては傷害罪・暴行罪・脅迫罪・業務妨害罪などに問われる可能性もあり、病院側から損害賠償を求められるケースもあります」 (4月9日『news every.』より)
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