冗談めかした「給料ドロボー」はアウト?…自覚なきハラスメント、線引きは 社長「教えるのがパワハラなの?」【#みんなのギモン】
■判断が難しい「業務の適正な範囲」
小野解説委員 「日頃から遅刻が多く、上司から注意されていた社員がいるとします。宴会の翌日に朝の会議に遅刻しました。そこで上司は、みんなの前で叱責した。これはどうでしょう?」 斎藤キャスター 「良くないことは良くないと共有する上でも、セーフなのかな?」 小野解説委員 「これはセーフです。この社員は何度も遅刻し、そのたびに上司は注意しています。それでもまた繰り返しました。本人に緊張感を持ってもらうためにみんなの前で叱責することは、業務の適正な範囲と言えます」 「ただし、みんなの前で何時間も立たせて罵倒すれば、行き過ぎになってアウトになります」 陣内貴美子キャスター 「業務の適正な範囲、がとても難しいと思うんですよね。言う側の声のトーンや強さ、受ける側のその時の気持ちが落ち込んでるかどうかもあるんですよね。そういうものを踏まえて言い方などを気をつけないと、(適正な範囲を)超えてしまうこともあると思います」
■部下らに注意する時に意識する点は?
小野解説委員 「どう伝えるのかは難しいですよね。では、日頃からミスが多い部下や後輩に自分が注意しなければいけない時、何を意識して伝えるか。3つのポイントです」 「その1は、『間違いだ』ときちんと指摘すること。その2は、一緒に原因を突き止めること。その3は、一緒に再発防止策を考えることです。ミスをきちんと指導すること=パワハラ、ではありません」 鈴江アナウンサー 「ミスは誰でもありますから、それを責めるんじゃなくて、どう改善できるか伴走することが大事ということなんですね」
■部下による「逆パワハラ」にも注意
小野解説委員 「こんなケースも増えているといいます。パソコンに不慣れな上司に対し、部下が『上司として無能すぎます』と言う。これは逆パワハラです」 河出奈都美アナウンサー 「『無能』という言葉自体に人格を否定するような表現があると思うのでいけませんし、パソコン(が苦手)など上司が部下よりも立場が弱い時は、部下としては気をつけないといけないなと思います」