【フィギュア】坂本花織228.68点で4連覇!宮原知子以来9人目 世界選手権代表にも内定
<フィギュアスケート:全日本選手権>◇22日◇最終日◇大阪・東和薬品RACTABドーム◇女子フリー 【写真】はじける笑顔で、樋口新葉と抱き合う坂本花織 世界女王の坂本花織(24=シスメックス)が14~17年の宮原知子以来、史上9人目となる4連覇を達成した。 ショートプログラム(SP)首位で迎えたフリーでも貫禄の演技を見せて149・76点。合計228・68点で5度目の優勝を飾った。 来年3月の世界選手権(24~30日、米ボストン)代表にも内定。史上5人目で65年ぶりとなるワールド4連覇へ日本の1番手として挑む。 坂本「自分の得点源である3回転-3回転(の連続ジャンプ)ができなかったことは悔しいですけど、今はホッとしています。宿題が出て、次に向けて、いい調整ができそう。うれしい気持ち、悔しい気持ち、ホッとした気持ち、いろいろな感情がありました」 今季はグランプリ(GP)シリーズ第2戦スケートカナダ、第4戦NHK杯で優勝。しかし、大会2連覇が懸かっていた今月上旬のGPファイナルで3位にとどまった。主要国際大会の優勝を2季ぶりに逃していた。 帰国した10日…全日本開幕の10日前には胃腸炎も発症。筋力値も低下したと明かすが、日々の積み重ねを大切にする世界選手権覇者は翌11日夜から練習に復帰し、日本一決定戦に向けて調整を続けてきた。 20日のSPでは78・92点を記録。国際スケート連盟(ISU)非公認ながら、自身が持つ今季世界最高スコアまで0・01点に迫っていた。SP2位で、ジュニアでは安藤美姫以来21年ぶりの飛び級Vを目指していた島田麻央(16=木下グループ)に3・34点差をつけて、この日を迎えていた。 大会を締めくくる、大トリの女子フリー。その最終滑走で好演してみせた。島田が計219・00点の高得点をマークした中、持ち前のスピード感ある演技で対抗。冒頭で幅のあるダブルアクセル(2回転半)を決めた。3本目では、今季から組み込む2回転半-1オイラー-3回転サルコーの3連続ジャンプを降りた。 ジャズの楽曲「シカゴ」に合わせ、全身を使って“悪女”を表現した。ジャンプやスピンの技術点では島田に7・31点差と離されたものの、表現面を示す演技構成点では12・65点差をつけて圧倒した。フィニッシュポーズを解くと左拳を握りしめた。キス・アンド・クライでスコアを確認すると、いつもの笑みを爆発させて絶叫し、会場中に喜びを充満させた。 さあ、再び世界へ。「今日は守りに入ってしまったので(今後は)攻めの姿勢で、自分らしく滑りたい。いろいろな選手と戦えるのは燃える」。26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪(オリンピック)の金メダルへ、今大会期間中、国際連盟が最強ロシア勢の条件付き復帰を認めたが、国内V4、世界3連覇女王は恐れることなく、信じた道を突き進む。【藤塚大輔】