なぜサガン鳥栖にクラスターが発生したのか…金監督はミーティングでマスクを着用せず
詳細な経緯を目の当たりにすれば、防ぐことができた事態だったのではないかと思えてしまう。 3日間で10人もの新型コロナウイルス感染者が出た、サガン鳥栖の竹原稔代表取締役社長が12日夜に緊急のオンライン会見を開催。Jリーグで初めてクラスター(集団感染)と指定された状況に「結果から見ると、起こるべくして起こってしまったところがあるのかもしれない」と陳謝した。 鳥栖は前日11日に金明輝監督がPCR検査で陽性判定を受けたと発表していた。10日午前中の練習を指揮した後に倦怠感を覚え、佐賀県内の病院でPCR検査を受けた結果、同日午後3時に新型コロナウイルス感染が判明。所轄保健所に濃厚接触者と判断された3人のスタッフも隔離された。 保健所の主導でPCR検査を受けた3人のスタッフは、11日の段階で陰性が確認された。さらに鳥栖は万全を期すために、選手やスタッフらトップチームに関わる89人に独自のPCR検査を実施。12日になって9人に陽性の疑いがあることがわかり、そのなかで発熱やのどの痛みなどを訴えていた3人に結果が早くわかる抗原検査を実施したところ、選手、スタッフ一人ずつから陽性判定が出た。 残る7人に対しても再検査が行われ、結果を待っている間にJリーグや感染症の専門家と緊急会談。安全が担保できないとして、12日19時からエディオンスタジアム広島で予定されていた、サンフレッチェ広島とのYBCルヴァンカップ・グループステージ最終節を14時45分の段階で中止とした。 16時すぎからJリーグの村井満チェアマン、広島の仙田信吾代表取締役社長とともにオンライン会見に臨んだ竹原社長は、7人にも陽性判定が出た状況を受けて21時半から単独で会見。保健所から14日間の活動自粛を要請されていることを明かした上で、当面のクラブのあり方をこう語った。 「感染を広げないことが、トップチームの活動再開にもつながっていく。明日以降は全体練習の予定を立てていません。自宅での自粛として、不要不急の外出もいっさい認めません」