小学5年生の子どもに自転車を買おうと思います。自転車にも保険が義務化されたと聞きましたが、自転車保険の保険料はどのくらいなのでしょうか?
平成27(2015)年から「自転車損害賠償責任保険等」への加入が義務となり、全国の自治体で条例を制定する動きが広がっています。しかし、自転車保険が具体的にどのようなものか、知らない人は多いのではないでしょうか。 そこで本記事では、子どもが自転車を運転するのに必要な保険の種類や特徴、保険料の目安を説明します。自転車保険の義務化の背景や、保険を選ぶ際の注意ポイントも解説します。 ▼ハンズフリー通話での運転は「違反」になる? ペナルティが発生する場合についても解説
自転車保険とは
道路交通法上、自転車は「軽車両」に分類されるため、事故を起こすなど法律違反をしたら刑事上の責任が問われます。また、相手にけがを負わせた場合には、民事上の損害賠償責任も発生するなど、自転車の運転には責任が生じるのです。 そんな万が一に備える自転車保険は、一般的に「傷害保険」と「個人賠償責任保険」がセットになって販売されています。 「傷害保険」とは、自転車運転中の自分のけがや通院、入院、死亡・後遺障害を負ったときの備え、「個人賠償責任保険」とは自転車で相手をけがや死亡、物を壊した場合に備える保険です。 自動車には強制保険である「自賠責保険」がありますが、自転車にはないため、任意で自ら保険に加入する必要があります。
自転車保険が必要な理由
自転車事故で他人の身体や生命を害した際、自転車運転者である加害者が数千万円の高額損害賠償を命じられる判決事例がたびたび公表されています。小学生など未成年であっても、加害者として責任から逃れることはできません。 警察庁によると、令和5年中に発生した自転車関連事故の件数は7万2339件です。自転車対歩行者で発生した事故のうち、歩行者が死亡または重傷事故における自転車運転者の年齢別件数においても、「10~19歳が562件(35.2%)」と全体の3分の1を占めています。 男子小学生(11歳)の運転する自転車が歩行中の女性(62歳)と正面衝突し、頭蓋骨骨折などの傷害を負ってしまい、女性の意識が戻らない状態となった事例で、賠償額が9521万円になったという判決例は有名です(神戸地方裁判所、平成25(2013)年7月4日判決)。 このような高額な賠償金が発生した事例によって、平成27(2015)年に兵庫県で自転車保険が義務化されてから、全国に義務化が広まっており、国土交通省によると令和6(2024)年4月1日現在、34都府県で条例により自転車損害賠償責任保険等への加入を義務化、10道県が努力義務化とする条例が制定されています。