【朝日杯FS】アドマイヤズーム、未勝利を勝ったばかりの1勝馬が頂点 最強マイラーへ期待「来春はNHKマイルCを目指す」
◇15日 第76回朝日杯FS(G1・京都・芝1600メートル) マイラーとしての資質の高さを伝える一撃だった。5番人気のアドマイヤズームが混戦模様の朝日杯FSを見事に制した。前半の600メートルが35秒4のスローペースの中、2番手につけて、直線で早々と先頭に立って押し切った。未勝利を勝ったばかりの1勝馬が頂点に立った。 「いい走りで勝ち切ってくれてほっとしています。道中で我慢することができましたし、3、4コーナーをとてもスムーズに下ってこられました。4コーナーで反応を見たときにしっかりと動いてくれましたので負けることはないなと感じました」と、昨年のジャンタルマンタルに続く連覇を果たした川田は納得の表情で振り返った。 デビュー戦から期待は高かった。だが、気性が幼く力を出せずに4着に敗れた。ただ、実戦を経験して2走目で初勝利。それでもゴール板を過ぎてから、コントロールが利かずに止まらなくなるという粗削りな面が目立っていた。 友道師は「日頃からテンションが上がりやすいタイプ。でも、ここに向けてしっかりと負荷をかけることができました。未勝利戦で追い出してからの反応がいいし、いい脚を長く使えるのがストロングポイント。抜け出してくる脚は力強かったですね」と馬が力をフルに発揮できたことに目を細めた。 サクセスロードはまだ始まったばかり。「マイルがベストと思います」と川田がきっぱりと語れば、師も「マイル路線と思います。オーナーとの相談になりますが、来春はNHKマイルCを目指していきたい」と最強マイラーとしての活躍に期待を膨らませる。 「これからもっと良くなる馬だと思う」と師。有馬記念を控える厩舎の先輩ドウデュースへ、最高の形でバトンをつなげた。淀で輝きを放ったモーリス産駒がさらに成長した姿で、来年もマイル路線の主役を突き進む。
中日スポーツ