【40代・50代】骨粗しょう症を防ぐには、カルシウムと同じくらいタンパク質が重要だった!
更年期以降になると気になってくるのが、骨粗しょう症の問題。この予防というと真っ先にカルシウムが浮かぶと思うが、実はそれ以上にタンパク質の摂取が重要だと知っている人、意外と少ないのでは? そこで最新の分子整合栄養学に詳しい管理栄養士の金津里佳さんに、その理由や、骨粗しょう症予防に必要な栄養素について伺った。
カルシウムをしっかりとっていても、タンパク質が不足していると骨の強度は弱くなってしまう
閉経後にエストロゲンが減ることで上がるのが骨粗しょう症のリスク。今のうちから予防のためにと、カルシウムを意識してとっている人も多いと思うが、実はタンパク質をとることも重要なのだとか。 「昔から、“骨といえばカルシウム”ということが刷り込まれているので、皆さん、そればかりを重視しがちですが、同じくらい大切なのがタンパク質です。骨の体積の半分はコラーゲン、つまりタンパク質です。骨を鉄筋コンクリートにたとえると、鉄筋の部分がコラーゲンで、そこに流し込むコンクリートがカルシウムです。 コラーゲンは、柔軟でありながらもとてもしっかりしたもので、タンパク質が原料です。なので原料であるタンパク質が不足するとコラーゲンの強度が弱くなり、骨もぐにゃりともろくなってしまいます。ですから、カルシウムと同じくらいタンパク質も重要なのです。 それなのに、なぜカルシウムばかりが重視されているのかというと、骨密度測定検査の影響もあると思われます。骨粗しょう症のための骨密度測定検査は、骨量、つまりコンクリート部分を測るものなので、骨密度の低下=カルシウム不足と判定されます。これがカルシウムばかりが重視されるようになった理由のひとつだと思います。 実際は、鉄筋部分のコラーゲンが減っていても骨はもろくなるのですが、コラーゲン量はこの検査では測れません。 そのため、骨粗しょう症検査で問題がなくても、コラーゲン不足によって骨がもろくなってしまっているということが起こり得ます。骨密度測定検査で問題がなかったのに、骨折しやすいというような人は、タンパク質不足の可能性があります」(金津里佳さん) つまり、いくらカルシウムをしっかりとっていても、タンパク質が不足していたら丈夫な骨にはならないということ。さらに、骨を作るためにタンパク質が必要な理由はほかにも…。 「カルシウムは、アルブミンというタンパク質によって運ばれるので、タンパク質が不足するとアルブミンも不足してカルシウムを運べないことになり、血中のカルシウムが不足します。このためにもタンパク質が必要なのです」