日本コカ・コーラが持続可能な水資源保全活動を加速、「工場」「製品」に加え「原材料」の育成まで範囲拡大、静岡県御前崎市・掛川市と連携協定
具体的な活動について、御前崎市では、市内の湧き水拠点16地点のうち14拠点で水が減少または枯渇している状況という。そうした中で、原材料の生育に使用する水量を担保するために地下水の調査・保全活動を行う考え。その他にも、松くい虫被害に対応するため植樹による森林保全や、コンポストを使用した資源循環にも取り組むという。御前崎市の下村勝市長は、「このたびの日本コカ・コーラ社との連携協定による取り組みを進めることで、地下水保全や森林保全の活動がさらに充実し、地域の水資源の保全に貢献できることを期待している」と話した。
掛川市では、「オーガニックビレッジ」という生産から消費まで一貫した地域ぐるみの取り組みで、有機農業を推進している。しかし、有機栽培への転換による品質や収量の低下の恐れがあり、新たに有機栽培に取り組む際のハードルとなっていたという。そこで、日本コカ・コーラと品質・収量の向上に向けた研究などに取り組むことで、生物多様性の保全や水循環の健全性の向上を図る。掛川市の道田佳浩産業経済部長は、「この連携により、環境にやさしい農業の拡大が促進し、環境への負荷を低減していくことで、生物多様性の保全や水循環の健全性の向上につながることを期待している」と語った。 なお、米国本社のザ コカ・コーラカンパニーは、2021年に「2030年水資源保全戦略」を発表。世界各国・地域で工場の運営、流域、地域社会の3つの柱に基づく活動を進めている。また、2023年3月には、重点的に取り組む主な領域に関連したグローバル目標の詳細について以下のように公表している。 〈1〉2030年までに、水資源の持続可能性にリスクがあると特定した世界175カ所の工場において、100%リジェネラティブ※な水に使用に取り組みます。 〈2〉2030年までに、当社の事業と農業サプライチェーンにとって重要だと特定した60カ所の流域の健全性向上に、パートナーと取り組みます。 〈3〉2021年から2030年にかけて累計で2兆リットルの水を世界中の自然と地域社会に還元します。 ※リジェネラティブ=再生
食品産業新聞社