児童手当 10月から制度が拡充 ポイントは?…第3子以降の支給額は1万円増額
社会保障のきほん
身近な「社会保障」に関するテーマを、Q&A方式で分かりやすく解説します。 【グラフ】理想の数の子どもを持たない理由
重い子育て負担 軽減
Q 子育てにはお金がたくさんかかるイメージがあります。家計への援助はありますか。 A 食費や衣服代、おもちゃなどの日用品の購入、教育費のほかに病気をした際の医療費も必要です。例えば、国の2021年度の調査では、習い事などを含めた年間の学習費は公立学校に通う場合、小学生で約35万円、中学生は約54万円です。子育て世帯への経済的支援として、国は3~5歳児の保育所や幼稚園などの利用を無償化しているほか、多くの自治体が医療費の無償化に取り組んでいます。支援策の一つに国の児童手当もあります。高校生の年代までの子どもを育てる保護者に対し、住んでいる市区町村から支給されます。 Q いくらもらえますか。 A 月額で子ども1人につき、3歳未満は1万5000円、3歳以上は1万円です。第3子からは、何歳でも3万円です。
対象家庭は申請必要
Q 10月から制度が拡充されたと聞きました。 A 一定以上の所得のある保護者には支給されていませんでしたが、すべての子どもの成長を応援する観点から、所得制限がなくなりました。中学生までだった支給期間も高校生までに延長し、第3子以降への支給額は、以前の1万円などから増額されました。 Q どうしてですか。 A 子育ての経済的な負担の軽減が狙いです。負担の大きさを理由に子どもを持つことをためらう夫婦は少なくありません。国立社会保障・人口問題研究所の21年の調査で、夫婦が理想とする子どもの数は平均2.25人なのに対し、予定しているのは2.01人でした。理想より下回る夫婦に理由を尋ねると、「子育てや教育にお金がかかりすぎる」(52.6%)が最多でした。日本で生まれた赤ちゃんの数は23年に72万7288人と過去最少を更新しました。少子化が進む中、子育て支援の重要性が高まっています。 Q 新しい児童手当はいつ受け取れますか。 A 偶数の月に、その前の2か月分が支給される仕組みなので、12月に10月と11月の分が振り込まれます。新たに受給できることになった高校生のみを育てる家庭や、所得制限がかかっていた家庭は申請をしないと受け取れません。市区町村に問い合わせてください。